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「ふ、藤井聡太竜王と渡辺明名人が目の前に…ヒー」観る将マンガ家の“名人戦ドキドキ観戦記”「佐藤天彦九段の神解説、敬意もスゴい!」
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph byJunsei Chida/日本将棋連盟
posted2023/04/11 06:00
観る将マンガ家の千田純生先生が取材した名人戦第1局をイラストにしてもらいました!
「Number Do EKIDEN」に棋士チームが参加したとき、渡辺名人がファンの方々に声を掛けられると1人ずつ会話し、写真撮影に応じる“神対応”をしていたとのこと。以前にも渡辺名人や羽生善治九段、藤井竜王ら第一人者がファンを大切にする姿勢は、棋士全体に共有されているのだなと感じるばかりです……と、担当さんと雑談していると。
「あ、その話で言うと、前夜祭で千田先生(※将棋)にご挨拶したら、非常に物腰柔らかく対応していただきましたよ。千田先生(※漫画)、挨拶できましたかね?」
できなかったので、今度機会があればぜひお願いします……。
その千田七段、そして三枚堂七段ですが「え、こんな場所に?」という場面に出くわしました。「対局が長考に入っているので椿山荘を散策してみますかね」と担当さんと2人で歩いていると、三重塔の前に2人とABEMAの中継スタッフが遠目に確認できました。
「ABEMA中継見ると、2人で縁側将棋やってますね」
椿山荘で縁側将棋、ってメチャクチャ優雅な対局だなあと(笑)。「横に広い囲いにするのが、椿山荘みたいでいいですね~」と大盤解説会で三枚堂七段と天彦九段がサービストークで話していましたが、確かに広々とした空間を目いっぱい使いながらのロケーションは「椿山荘囲み」と言わんばかりの雄大さでした。
3)えええええっ!? 終局直後の対局室にっ!?
そうこうしているうちに、対局は夕食休憩を経て終盤戦に突入しました。大盤解説会の様子で大満足していると担当さんからいきなりの宣告。
「さあ、これからが本番です。今回は終局後の様子が取材できます。なので千田先生、終局したら対局室行ってください」
え、えええええっっ!? まさか対局室に入る役割まで仰せつかるとは……この時点で心臓バクバクで最終盤を見守り、終局の瞬間を迎えました。
「終局です! 関係者の方が説明する流れに従えば大丈夫です。いってらっしゃい!」
多く集った報道陣の方々の波にただただもまれるように進み、気づいたら対局室の中にいました。数メートル先に盤面を見つめる渡辺名人、さらに藤井竜王の背中という構図。「ヒー、いつも中継で見ている対局室の中にいる……それも目の前に2人が……」と思いながら部屋の角、盤面で言えば「9九」のような位置にいました。いや自分のような立場がそもそも盤面に乗ってていいのか、透明人間になりたいレベルだ……と思いながら記者さんの質問に耳を澄ませました。
そこでは勝者の藤井竜王の生声を初めて聴きました。