ゴルフPRESSBACK NUMBER
渋野日向子の変化にビックリ?「こんな短期間で…」現地レポーターが“楽しみ”と語る1打とは? 超マイペース古江彩佳は「2勝目も近い」
text by
南しずかShizuka Minami
photograph byGetty Images
posted2023/03/30 06:01
LPGAドライブオン選手権で今季初のトップ10入りを果たした渋野日向子
「スコアよりいい内容でプレーできていたのでそんなに心配はしていませんでした。初日の前半は、初めてのコースや硬いグリーン、新しいスイングやシャフトと慣れないことが多かったかもしれませんが、終盤でショットが噛み合ってきた。2日目以降は期待できそうな雰囲気があったんです」
片平の予想の通り、渋野は2日目以降にリーダーボードを一気に駆け上がった。ボギーなしで終えた3日目時点では日本人トップの7位タイ。最終日は3つのボギーを叩くなど波はあったが、後半は持ち直してトップ10入りを果たしている。
片平が最も大きな変化を感じたのは最終日17番パー3。ピンは左、風は右から。これまでの渋野であれば、右を向いてドローボールで攻める状況だった。
「風に負けない強い球を打てるようになったことで、ストレートボール系で左のコーナーのピンを攻めて、バーディーを取ることができていました。すごく器用ですよ。このオフ、わずか2カ月ほどで球筋がドローからフェードへ変わりましたから。こんな短期間で真逆のことができるの!? ってビックリしました」
4日間通じて1度だけ右へOBがあったものの、ミスの回数が減り、その幅も狭くなってきた。渋野は昨季の最終戦で「今は優勝できる自信がないです」と弱音を吐くほど、下降線をたどっていた。「全てにおいてもっとレベルアップしないといけない。マネージメントの勉強だったり、ウェッジの100ヤード以内の精度、グリーン上でももっと何とかできると思います」と口から出てくるのは課題ばかり。ただ、青木コーチと真摯に取り組んだ成果が形になってきている。
「新しいスイングを習得できれば、大きなミスは出にくい。去年以上に楽しみな感じがします」(片平)
昨季は国内ツアーも含めて優勝はゼロ。アメリカに拠点を移してからまだ頂には立っていないが、スイングの精度が徐々に上がってくれば、渋野らしい思い切りの良いゴルフが戻ってくるかもしれない。
ほろ苦いルーキー組、アメリカの洗礼
今季からアメリカを主戦場とするルーキーたちにとっては、ほろ苦いデビュー戦となった。西村はカットラインに1打足りず予選落ち。勝は初日こそ好発進したものの、終わってみれば3アンダー、74位に終わった。
「2選手とも米ツアーの洗礼を受けたと思う」とは、片平の見解だ。
「米ツアーの場合、新人選手は早朝や遅い午後など、予選ラウンドではあまり良い時間帯でプレーできません。今大会は、パー5で2オンを狙えるコースだったこともあり、前の組のプレーを待つなど進行に時間がかかったシーンも。そのため、予選通過ラインのプレッシャーがピークを迎えるころに日没の時間が迫ってきてしまった。
最終組でプレーした勝選手も、その1つ前の組でプレーした西村選手も、絶対にスコアを落とせない残り4ホール時点であたりはかなり暗くなっていました。“たられば”は禁物ですが、日中の明るい時間帯で回れていたら、もうちょっと気持ちに余裕を持って向き合えたかもしれないですね」
1打差ギリギリで予選通過した勝だったが、3日目は7時30分スタートと、今度は一番早い組でのエントリーになった。