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異例の処分「柔道で減量失敗→代表はく奪」は“厳しすぎる”のか? 選手の“自己責任”だけが問題ではない背景「痙攣、生理不順などのトラブルも」
posted2023/03/02 11:01
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
JIJI PRESS
思いがけないことが起きた。
柔道男子90kg級の増山香補が今年5月に行われる世界選手権代表をはく奪され、さらに来年のパリ五輪出場への道のりも厳しくなった一件だ。
増山は現在23歳。2021年11月のグランドスラム・バクーでワールド柔道ツアーの大会初優勝を飾った。全日本選抜体重別選手権では2021年に続き2022年も優勝し、同年の世界選手権代表にも選ばれた。この大会は2回戦で敗れたが、12月のグランドスラム・東京では東京五輪銀メダルのエドゥアルト・トリッペルを破り優勝。その後、今年5月の世界選手権代表に選ばれていた。いわば90kg級を背負う存在として期待を集めていた。
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パリ五輪の代表を狙う有力候補の一人でもあった増山に何が起きたのか。
日本初…代表のはく奪は“厳しすぎる”処分なのか?
経緯はこうだ。
増山は2月16日に開幕の国際大会グランドスラム・テルアビブに出場を予定していた。だが、現地到着時の体重は97.4kg。計量日まで減量を試みたが体調不良を訴えたという。計量当日も3kg近くオーバーしており、サウナで減量を図ろうとしたが、頭痛やけいれんを起こしたことから5分で断念。大会の出場もあきらめることになった。
その後、経緯の確認作業がなされ、体重管理の過失であったとして、規定により強化指定を外れることが決まった。同時に、世界選手権代表は強化指定選手でなければならないため、世界選手権の代表もはく奪となった。
オリンピック、世界選手権を通じて代表のはく奪処分は初めてのこと。この事態に、「厳しすぎるのでは?」「妥当なのか」という声も出ているという。