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「なぜ日本人はそんなに凱旋門賞にこだわるの?」外国人の素朴な疑問に“世界の合田”はどう答えたのか「なにせ2着が4回もあるわけで…」 

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曹宇鉉

曹宇鉉Uhyon Cho

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photograph byGetty Images

posted2022/11/26 17:26

「なぜ日本人はそんなに凱旋門賞にこだわるの?」外国人の素朴な疑問に“世界の合田”はどう答えたのか「なにせ2着が4回もあるわけで…」<Number Web> photograph by Getty Images

武豊騎手と合田直弘氏(2018年)。ずば抜けた海外競馬の知識と軽妙な語り口で、競馬ファンからは“世界の合田”の愛称で親しまれている

 フランスでステップレースを使う意義として、しばしば「現地への順応」があげられるが、その効果について合田氏は疑問を投げかける。

「ヨーロッパの調教師さんは、よく『数週間じゃ馬は変わらない』と言っていますね。実際、長期滞在したエルコンドルパサーにしても、ディアドラにしても、ヨーロッパ仕様の走りになるまでに3カ月はかかりました。どのプレップ(前哨戦)を使うにせよ、順応に期待して使うというよりは、そのレースもしっかり獲りにいきつつ、ベストな状態で本番を迎えられるようにシェイプアップする、という意識がいいのでは。またレースを使わずに競馬場を体験させる“レースコースギャロップ”も含めて選択肢は無数にあり、どれが正解というわけでもないので、それぞれの馬に合った臨戦態勢を構築するのがベストだと思います」

「なぜ日本人はそんなに凱旋門賞にこだわるの?」

 他の海外GIと比較しても、こと日本における凱旋門賞のプレゼンスは突出している。コストやリスクを顧みず、何度打ち負かされてもチャレンジを続ける日本のホースマンたちの姿は、海外の関係者からは奇妙に映るかもしれない。

 合田氏も「以前は外国の方から『なぜ日本人はそんなに凱旋門賞にこだわるの?』と聞かれても、あまりロジカルに答えることができなかったんです」と苦笑するが、最近になって“正答”を見つけたという。

「なにせ2着が4回もあるわけで、ここまできたら、勝たないことにはやめられませんよね。誰もがそのシーンを見たいと思っているし、“日本で初めて凱旋門賞を勝った人”になりたい。外国の知人たちもこの答えには納得していました(笑)」

 合田氏は続ける。

「ご存知の通り、世界には凱旋門賞のほかにも素晴らしい権威を誇るレースがあります。でも、日本ダービーやジャパンカップは芝2400mで施行されていますし、日本はずっとその路線に重きを置いてきましたから。過去数十年の歴史を踏まえてみても、芝2400mのレースの頂点として凱旋門賞が目標になることは決して間違っていない。私はそう思います」

 幾度となく高い壁に跳ね返されても、あらゆる技術と経験を尽くして凱旋門賞制覇を目指す日本のホースマンたち。遠くない未来に、その努力が結実することを願うばかりだ。

<#3へ続く>

#3に続く
合田直弘「ジャパンカップにアルピニスタが出ていたら本命でした」“アーモンドアイもコントレイルもいない”今年は外国馬にもチャンスあり?

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