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《日本ハム新球場》「3m足りない」大失態はなぜ起きたのか?「アメリカでは珍しくないから」で済まされないルール破りの問題点 

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小西斗真

小西斗真Toma Konishi

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2022/11/12 17:00

《日本ハム新球場》「3m足りない」大失態はなぜ起きたのか?「アメリカでは珍しくないから」で済まされないルール破りの問題点<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

「BIGBOSS」を卒業し、心機一転「新庄監督」として監督2年目のシーズンにのぞむ

 要するに問題の本質は「悪気の有無」でも「MLBとのニュアンスの違い」でも「ファンが喜ぶかどうか」でもない。現時点では実行委員会という非公開の会議で話し合われているだけだ。関係者に謝罪があったとは聞いたが、各球団からは「責任の所在を明確にしてくれ」と厳しい声が飛んだとも聞いた。

どこに問題があり、いつから分かっていたのか

 日本ハムとエスコンは新庄監督ではなく、しかるべき立場の人間が記者会見を開き、謝罪と過程の説明をするべきなのだ。「50フィート」の出発点がファンサービスだったのはわかるが、不正でなくても、明らかな失態だ。3月21日時点でルールを知らなかったのは疑いの余地はないが、実行委員会があった11月7日までの早い段階で気づいていた可能性もある。なぜこうなり、どこに問題があり、本当はいつからわかっていたのか。ルールは破られることもあるとは書いたが、このルールは「ごめんなさい」で許すのが非常に難しい。

 バックネットの基礎工事からやり直した場合の期間や費用、逆にバックネットはそのままで、本塁を3m前に寄せた場合の中堅までの新たな距離はどうするのか。あるいは、超法規的球場として当面は容認するのなら、日本ハムには制裁が科されるべきだろう。

 せっかくの国内初の開閉式屋根付き天然芝スタジアム。しかし野球を愛する子供も見ているのだ。ルールを破ってしまった大人なら、たとえ謝って済まなくても「ごめんなさい」。全てはそこからだと思うのだが……。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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