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最強軍団・ソフトバンクが泣き崩れた「10.2最終決戦」…2つの史上初が重なった悲劇と“歓喜の8年前”は何が違ったのか?
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph bySankei Shimbun
posted2022/10/05 11:03
運命の「10.2」決戦。マジック1で臨んだソフトバンクに待っていたのは、プロ野球史上初となる、記録と記憶に残る悲劇の幕引きだった
8年前の「10.2」と何が違ったのか?
8年前の「10.2」だった2014年を振り返れば、ブルペン陣にはメジャー帰りの五十嵐亮太と岡島秀樹がいて、正捕手・細川亨のバックアップには鶴岡慎也がいた。
あの頃は成熟したメンバーが多く、若手はそれに引っ張られながら一生懸命プレーしていた。今シーズンのソフトバンクも柳田悠岐キャプテンや今宮健太選手会長、中村晃、投手陣でも千賀滉大や東浜巨ら球界トップレベルの「柱」たちがいるのは間違いない。しかし、藤本監督が就任1年目の今シーズンは「世代交代」が明確に打ち出され、チームは本当に若返った。育てながら勝ちを積み重ねてきたのだ。
それでもあと一歩、いや半歩及ばなかった。非礼を承知で書くのならば、ホークスが未熟だったからなのかもしれない。
裏を返せば今のソフトバンクは、無限の可能性を秘めている若鷹たちの集団なのだ。敗北を泣いて悔しがれる彼らは、もっと成長する。筆者はそう確信している。
もちろん、今季の戦いもまだ終わっていない。8日からはクライマックスシリーズの第1ステージが開幕する。涙の数だけ強くなった若鷹たちが下剋上日本一に挑む。
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