酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
村上宗隆53発の平均117.9m、大谷翔平34発は124.1m… では日米「最長本塁打・平均飛距離」1位、“推定180m弾”を打ったのは誰?
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byHideki Sugiyama/Nanae Suzuki
posted2022/09/12 17:00
村上宗隆と大谷翔平。大アーチで日本を沸かせる2人とともに日米球界が誇る「飛ばし屋」は誰?
村上宗隆も130mが4本である。
4月13日バンテリンドーム中日戦、福から
7月13日バンテリンドーム中日戦、小笠原から
8月12日神宮球場DeNA戦、大貫から
8月20日バンテリンドーム中日戦、小笠原から(1本目)
“本塁打の出にくい”バンテリンドームで特大弾3本!
中日の本拠地、バンテリンドームは今年の本塁打のパークファクターが12球団最低の0.72、最も高い福岡PayPayドーム1.38の半分強である。それもあって中日はチーム本塁打数59本、村上が1人で53本打っている中で貧打ぶりが際立っているが、村上はそのバンテリンドームで特大のホームランを3本も打っている。貧打にはパークファクター以外の要素もあるのでは、と思わせる。
推定飛距離が記録されていない場合もあるようだが――調べた限りでは140mの大ホームランは、2本。
141m 佐藤輝明(阪神)7月22日甲子園DeNA戦 京山から
140m 吉田正尚(オリックス)6月24日ZOZOマリン ロッテ戦 八木から
ちなみに佐藤輝明は現在18本だが、平均飛距離は119.9m、130m以上を上記を含め4本打っている。
一方で楽天の浅村栄斗は95mの本塁打を打っている。これは6月22日、盛岡市の岩手県営野球場の日本ハム戦で右翼に打った一発で、チームメートの島内宏明も95mの本塁打を打っている。この球場は両翼91.5m中堅122mと狭く、以後使用しないことが決まっており、これが最後のNPB公式戦だった。
王さんと長嶋さん、松井秀喜の飛距離を比べてみると
紹介したように、今の球場は両翼100m中堅120mが標準だが、昭和の時代は両翼90m中堅100mほど。100m以下のホームランもたくさんあった。
筆者は1970年代から大阪球場で試合を見ていたが、南海の大打者・野村克也などは、左翼スタンドの最前列に測ったようなホームランを打っていた。
王貞治と長嶋茂雄は『ON記録の世界』(読売新聞社刊)で「記録の神様」宇佐美徹也さんが丹念にスコアブックを読み込んで、飛距離を拾っている。
また松井秀喜も本塁打の飛距離の記録がある。これをもとに数字を出すと以下のようになる。