酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
村上宗隆53発の平均117.9m、大谷翔平34発は124.1m… では日米「最長本塁打・平均飛距離」1位、“推定180m弾”を打ったのは誰?
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byHideki Sugiyama/Nanae Suzuki
posted2022/09/12 17:00
村上宗隆と大谷翔平。大アーチで日本を沸かせる2人とともに日米球界が誇る「飛ばし屋」は誰?
★長嶋茂雄(1958-1974年)通算444本塁打
130m以上 13本(2.9%)
120-129m 59本(13.3%)
110-119m 135本(30.4%)
100-109m 183本(41.2%)
99m以下 54本(12.2%)
★王貞治(1959-1980年)通算868本塁打
130m以上 49本(5.6%)
120-129m 142本(16.4%)
110-119m 286本(32.9%)
100-109m 289本(33.3%)
99m以下 102本(11.8%)
★松井秀喜(1993-2002年)通算332本塁打
130m以上 119本(35.8%)
120-129m 110本(33.1%)
110-119m 72本(21.7%)
100-109m 27本(8.1%)
99m以下 4本(1.2%)
なお、長嶋の99m以下の本塁打にはランニングホームラン3本が含まれている。
100m以下の本塁打がほぼ絶滅した現代の球場でプレーをしたとすれば、長嶋は通算444本から390本になる。王貞治は868本から766本になる。それでもハンク・アーロンのMLB記録(当時)755本を抜くことになるから偉大だ。球場が大型化してからデビューした松井秀喜はほとんど影響を受けない。
実数計測されているMLB、大谷やジャッジは?
NPBでの本塁打の飛距離は、トラッキングシステムが導入された球場では実数の計測が始まっているが、まだ一部に過ぎない。
しかしMLBでは「STATSCAST」というシステムが全30球団で導入されていて、すべての本塁打の飛距離(だけでなく打球速度、打球角度なども)をオンタイムで発表している。現地時間11日のアストロズ戦で34号本塁打を放った大谷翔平や、現在55本塁打でア・リーグ本塁打シーズン記録更新が近づくアーロン・ジャッジらの数字は以下のようになる。
<今季の飛距離>
C.イエリッチ(ブルワーズ)152m
J.サンチェス(マーリンズ)151m
R.マクマーン(ロッキーズ)151m
C.J.クロン(ロッキーズ)148m
G.サンチェス(ツインズ)145m
――
A.ジャッジ(ヤンキース)142m
大谷翔平(エンゼルス)141m
<平均飛距離5傑>
R.アクーニャJr.(ブレーブス)133.2m
R.マクマホン(ロッキーズ)130.1m
C.イエリッチ(ブルワーズ)128.9m
CJ.クロン(ロッキーズ)128.6m
B.ロジャース(ロッキーズ)127.7m
――
A.ジャッジ(ヤンキース)125.9m
大谷翔平(エンゼルス)124.1m
NPBの全本塁打のうち最長が141m、各選手の平均最長飛距離が121.4mだから、さすがにMLBはスケールが大きい。
過去に「195m」「180m」を記録した超飛ばし屋は誰か
MLB通の人は気が付かれただろうが、コロラド・ロッキーズの選手がたくさん出ている。ロッキーズの本拠地クアーズ・フィールドは標高1600mの高地にあり、気圧が低いために極端にホームランが出やすい球場になっている。