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石川祐希「大阪大会はもっといい形で臨める」男子バレー代表、好調の要因はサーブ?《西田19点&石川18点でランキング独占》
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byFIVB
posted2022/07/06 11:02
ネーションズリーグ・フィリピンラウンドでイタリアを撃破し、歓喜する男子バレーボール日本代表
2週目を終えた時点で、ベストサーバー部門1位が19得点の西田、2位が18得点の石川と、日本勢が1、2位を独占。セットポイントでサービスエースを奪うなど、勝負強さも光る。
もともとサーブ力のある2人だが、伊藤コーチは、「西田に関しては非常に打てるコースが広がったので、相手はどこかに絞って対策するのが難しくなっていて、非常にしんどいと思います。石川はショートサーブがさらに有効になっている」と分析する。
それでも西田は、「自分の中では、『もうちょいやらないと』っていう意識なんですよね」と納得のいかない表情だ。
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「相手の正面に行ってしまっている部分が多いので、そこをなんとかしたいなというのがありますし。まだ求めているレベルまでは全然行けていません」と、22歳ははるかな高みを見据える。
2人が強力なジャンプサーブでサービスエースを量産しているだけでなく、セッターの関田が多彩なサーブを打ち分けて相手を翻弄したり、山内や小野寺太志のフローターサーブも効果を発揮している。
サーブ好調の理由とは?
日本代表は、2017年からコーチを務めていたフランス出身のフィリップ・ブランが、昨年10月に監督に就任し、選手も東京五輪経験者がベースとなっているため、これまで積み重ねた土台を活かし今大会ではスムーズにスタートを切ることができた。だが五輪翌年の今年は、チームを作り始めたばかりの国もあり、各チームに若手選手や新戦力が多い。
「その分、ちょっとサーブレシーブに難のある選手が多い印象があります。だから穴を見つけやすい。その狙い通りに、いいサーブを打ってくれているので、崩れているケースが多い」と伊藤コーチは言う。
対戦前のミーティングでは、詳しいデータを提示し、相手選手が過去の試合でサーブレシーブを崩されている映像を選手に見せている。そうすることで、どこにどう打てば崩しやすいのかがよりイメージしやすくなっている。
加えて、日本チームはルールもうまく味方につけている。