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大谷翔平は“104年ぶり”の2桁勝利&2桁本塁打できるのか? エンゼルス悲願のプレーオフ進出のカギは「投手・大谷」の活躍 

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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posted2022/04/14 17:01

大谷翔平は“104年ぶり”の2桁勝利&2桁本塁打できるのか? エンゼルス悲願のプレーオフ進出のカギは「投手・大谷」の活躍<Number Web> photograph by Getty Images

今季開幕戦で投球する大谷翔平

強豪打破のカギは「投手・大谷」

 上記表の7番目に位置するエンゼルスにとっては、「あと1つ」順位を上げれば良いわけで、ブルージェイズ、ヤンキース、レッドソックス、レイズの東地区4チームがア・リーグ上位6チームに入るというある種の「不自然」を考えると、エンゼルスがそこに割って入る希望的観測を持っても良さそうな気がする。

 仮にFanGraphsの予想通り、東地区優勝がブルージェイズ、中地区優勝がホワイトソックス、西地区優勝がアストロズになったとすれば、エンゼルスは残るワイルドカード3枚を、ヤンキース、レッドソックス、レイズの3チームと争うことになる。いずれも強豪であり、その一角を崩すためには、「打者」としてより、「投手・大谷」の力が必要不可欠だ。

 大谷翔平選手のお陰で、エンゼルスは日本でも「投手陣さえ良くなれば、強くなる」という評価が一般的になっている。それは昨年の「打者・大谷」が無双に近い状態だったからで、元MVPのマイク・トラウト外野手や2019年、ナショナルズのワールドシリーズ優勝に貢献したMVP級の実力者アンソニー・レンドン内野手というエンゼルスのオフェンス「三銃士」が健康でありさえすれば、オフェンスに関しては開幕戦のような「チャンス創造欠乏症」の再発も少なくなるはずだ。

地区王者アストロズとの圧倒的な差

 問題はやはり、投手陣である。

 今年は前メッツの「Thor=雷神」ことノア・シンダーガードや、第二の「投打二刀流」マイケル・ロレンゼンの92年生まれコンビが加わった。彼らの過去の成績や怪我歴は「不安材料」になるものの、裏ローテに入る左腕コンビのパトリック・サンドバルと有望株リード・デトマーズが機能すれば、救援投手陣の負担は軽減する。

 エンゼルスは昨年、大谷が23試合に先発登板した以外では、ディラン・バンディー(現ツインズ)の19先発登板が最多で、イニング数も大谷の130.1イニングが最多と悲惨な状況だった。大谷以外に100イニングを超えた先発投手すら存在せず、それは「エンゼルスの弱点は救援投手陣」という一般的な見方と表裏一体になっている。

 たとえば昨年の地区王者アストロズは、絶対的エースのジャスティン・バーランダーを右肘のトミー・ジョン手術で欠いていたこともあり、30試合に先発登板した投手が1人もいなかった。ところが、その苦しい台所事情をあの手この手でやり繰りした結果、100イニング超えの投手が7人も誕生し、エンゼルスからは1人も生まれなかった「二桁勝利」も4人が記録している。

 いくら投手分業制が進み、先発投手に勝ち星が付き難くなったとはいえ、両者の差は大きい。

【次ページ】 大谷が「二桁勝利」に届く確率は?

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