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大谷翔平は“104年ぶり”の2桁勝利&2桁本塁打できるのか? エンゼルス悲願のプレーオフ進出のカギは「投手・大谷」の活躍
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byGetty Images
posted2022/04/14 17:01
今季開幕戦で投球する大谷翔平
“大谷が活躍しても勝てない試合”は今年も…
先発登板数とイニング数の増加はエンゼルス投手陣の課題であり、それは打者と兼業している大谷にとっても同じだろう。
大谷は昨年、9勝2敗、防御率3.18という立派な成績を残しながらも、1918年のベーブ・ルース(レッドソックス)以来、103年ぶりとなる「二桁勝利&二桁本塁打」の達成を逃した。「二桁勝利」に王手をかけてからの3試合中2試合でクオリティ・スタート(6回以上3失点以下)をクリアしながら、打線の援護がなく勝ち星を挙げることは出来なかったが、開幕戦を見る限り、そういう試合はこれからも出てくるはずだ。
彼にとっては昨年の先発登板23試合&130.1イニングという自己最多記録を、今年どれぐらい上回れるか。シンダーガードやロレンゼンら他の先発投手陣にとっては、大谷の成績を軽々と上回ることが、東地区の4強の一角を崩せるか否かの分かれ目になるような気がする。
▽2021年の先発登板数と「二桁勝利」投手の数
28試合 10人中6人
27試合 6人中2人
26試合 7人中3人
25試合 7人中3人
24試合 8人中1人
23試合 9人中1人
▽2021年のイニング数と「二桁勝利」投手の数
160イニング台 10人中7人
150イニング台 16人中6人
140イニング台 13人中5人
130イニング台 11人中3人
大谷が「二桁勝利」に届く確率は?
上記の通り、27試合に先発登板しても「二桁勝利」は3分の1の確率だし、150イニング投げてもその確率は4割に満たないのであまり因果関係はないようだが、先発登板23試合未満で二桁勝利に届いたのは、今年の開幕戦で結果的に大谷に投げ勝った左腕フランバー・バルデス(アストロズ 22試合で11勝)やクレイトン・カーショウ(ドジャース 22試合で10勝)、アーロン・シバーレ(ガーディアンズ 21試合で12勝)の3人のみだったことを考えれば、それを最低ラインとして、エンゼルス先発投手陣には数字を積み上げて欲しいところだ。
大谷に関して言えば、彼が中4日で30試合以上に先発登板するなんてのは夢物語である。だが、それがたとえば、昨年台頭して二桁勝利を記録したルイ・ガルシア(アストロズ)の28試合ぐらいまで伸ばすことができれば、たとえ、その半分以下しか勝敗が付かなかったとしても、「二桁勝利」に手が届く確率は自ずと増える。
大谷が今年、「二桁勝利&二桁本塁打」を難なく達成し、新戦力のシンダーガードやロレンゼンらが先発登板30試合に限りなく近づき、180イニング以上を投げられるようなシーズンになれば、彼らも「二桁勝利」を軽々と記録するはずだ。
そうなればきっと、東地区の4強の一角を切り崩してワイルドカードを獲得することができるはず……いやいや、ここはもう思い切って、アストロズの地区連覇を阻止して、ア・リーグ西地区を制覇するだろう、と書いておきたい。
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