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藤井聡太五冠の「勝率.812」を上回った19歳新鋭!「藤井・杉本師弟ペア」が3連敗? 観る将マンガ家が描く《3月の将棋ハイライト》
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph byJunsei Chida(illustration)/JMPA
posted2022/04/01 11:02
観る将マンガ家・千田先生が描いた「3月の将棋ハイライト」。これまでのイラストは関連記事からもご覧になれます!
いわゆる「羽生世代」でモリモリの食欲と肉体美、そしてタフな棋風が印象深い丸山九段ですが、B級2組最終局で中田宏樹八段に勝利し、B級1組復帰決定! 冷却シートを“3枚貼り”して戦う姿には凄みがありました……。
〈第81期順位戦:B級1組リーグ参加棋士〉
羽生善治九段、山崎隆之八段、千田翔太七段、屋敷伸之九段、佐々木勇気七段、三浦弘行九段、郷田真隆九段、横山泰明七段、近藤誠也七段、久保利明九段、澤田真吾七段、中村太地七段、丸山忠久九段
これぞ「鬼の棲家」と呼ばれるB級1組……。僕ら初心者観る将から見たら「誰もがA級でもおかしくないじゃん」と思う棋士の方々が並ぶだけに、こちらもまた目が離せません。
もう1つ触れておきたいのは藤井五冠と同学年に当たる、伊藤匠五段です。2021年度が初となる順位戦だった伊藤五段はC級2組を9勝1敗で1期抜け。さらには2021年度の勝率は「.818(45勝10敗)」で、藤井五冠の「.812(52勝12敗)」を上回りました。
もちろん藤井五冠はタイトル戦やトップ棋士との対戦続きの中でのもの、という大前提に震えるわけですが……伊藤五段はどんな成長を見せてくれるのでしょうか。もしかしたら「羽生世代」に続く「藤井世代」の筆頭格になるのかもしれませんね。
2)棋王戦10連覇の渡辺名人、NHK杯初制覇の豊島九段
若い世代の台頭という意味では、叡王戦挑戦者決定戦に触れておきたいところです。藤井叡王への挑戦権をかけて戦うのは服部慎一郎四段(22)と出口若武五段(26)。タイトル戦になって以降、高見泰地七段や永瀬王座ら20代の活躍が目立っただけに、藤井叡王とのフレッシュな対決を楽しみにしたいです。
そんな彼らが台頭する一方で、ここ数年“最も強い棋士”として君臨してきた2人の活躍も見逃せない1カ月でした。まずは渡辺明二冠の棋王戦です。
渡辺二冠の連勝で迎えた3月6日の第3局こそ永瀬王座に1勝を返されたものの、20日の日光東照宮対局で3勝目をつかみ、10連覇(!)を達成しました。過去にタイトルを2ケタ連覇した人ってどれだけいるのだろう? と気になって調べてみたところ……。