月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER
本人もしこ名をかんでしまう新関脇「わかたかかげ」、高卒新人捕手・ロッテ松川虎生「緊張は特にないっす」…今年の春は「新」が大活躍!
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph byKYODO
posted2022/03/31 06:00
昭和11年の双葉山以来、86年ぶりに新関脇で優勝した若隆景。5月場所では大関取りに挑む
思い起こせば3年前、新元号「令和」が発表されるやいなやスポーツ紙には「令和の怪物」という異名が飛び交った。岩手・大船渡高校の佐々木朗希のことだった。日本の高校生では前人未到の163キロを出したから大騒ぎ。しかしその一方で佐々木朗希の投げる姿を実際に見た人は決して多くなかったのである。公立高校に在学というのも大きかった。つまり佐々木朗希とはミステリアスな存在だったのだ。だからこそ“目撃談”に胸をときめかした。かつてのネッシーや雪男に似たロマンすらを私は令和になって佐々木に抱いた。あれから3年、今年はいよいよ「令和の怪物」が多くの人の目に。ワクワクする。
続いての「新」はプロ野球の新監督です。まずはこちらの記事を紹介します。
「2022年3月27日午後6時3分」
これ、あるスポーツ紙の冒頭なのですがいったい何だと思いますか? ものすごく歴史的な重みを感じる出だしです。正解は中日ドラゴンズの立浪和義新監督の初勝利を伝える東京中日スポーツでした。
《勝った。2022年3月27日午後6時3分。立浪監督が指揮官として初勝利をつかんだ。選手とハイタッチを終えると、ウイニングボールを手に立浪監督はレフトスタンドへ向かった》(3月28日)
開幕3戦目で逆転勝ちで初勝利。この記事の出だしの重厚感。ドラゴンズファンとしては満を持しすぎた就任の立浪監督だけに当然か。ちなみに初勝利は「星野仙一監督と同じ敵地での巨人3戦目」だという。いろんなところからデータ持ってくるなぁ。これもスポーツ紙の醍醐味です。
「新庄BIGBOSS」で定着の模様
さて「新」といえばやはり北海道日本ハムファイターズの新庄剛志監督(BIGBOSS)だろう。昨年オフから話題独占。開幕翌日の見出しを並べてみよう。
『新庄BIGBOSSが盗んでいったのはファンの心です』(日刊スポーツ)
『初陣負けちゃったけど主役!新庄BIGBOSS 常識破壊野球幕開け!!』(スポニチ)
『新庄BIGBOSS 奇想天外継投も』(サンスポ)
『ド派手に幕開けBIGBOSS劇場 ※敵地です』(デイリースポーツ)
『劇場開幕 新庄BIGBOSS ビックリ継投』(スポーツ報知)
『破天荒采配発動 ビッグボス』(東京中日スポーツ)
日刊スポーツとスポニチは一面だった。