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“ご意見番”武蔵丸がビシッと指摘「若隆景をみんな絶賛するけど、他のお相撲さんの動きが遅いね」「御嶽海はビッグマウスなんだよ(笑)」

posted2022/03/29 11:01

 
“ご意見番”武蔵丸がビシッと指摘「若隆景をみんな絶賛するけど、他のお相撲さんの動きが遅いね」「御嶽海はビッグマウスなんだよ(笑)」<Number Web> photograph by KYODO

春場所千秋楽、優勝決定戦。若隆景(奥)が上手出し投げで高安を破る。若隆景は初優勝

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武蔵川光偉

武蔵川光偉Musashigawa Mitsuhide

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 新関脇の若隆景が、高安との優勝決定戦を制して優勝したね。おめでとう! 目の前にあった優勝賜杯を逃して、高安は悔しいだろうなぁ。13日目までは単独トップだったのに、14日目に正代に負けちゃった。前に出て攻めていて、いい相撲だったのに左肘が浮いたところを正代に掬われちゃったんだ。それでも「落ち込む相撲ではない。まだ行けるぞ! 今場所は高安の初優勝かな?」と思っていたんだ。でも、やっぱり“心”の問題なんだろうね。兄弟子の稀勢の里(現二所ノ関親方)もそうだったけど、力はじゅうぶんあるのに何度も優勝のチャンスを逃してしまう。最後に重要なのは、「勝てる!」と自分を信じる心なんだよ。3敗していたけれど、もう一番勝っていたら――正代戦を落としていなかったら、高安の優勝だったとも思うんだよね。

 優勝決定戦ではふたりとも硬くなっちゃってたな。高安は攻めてたのに、もう一歩が出なかった。若隆景は181センチ130キロと、体は小さいんだけど、下から攻めて中に入るのがうまい。彼の攻略法としては、やはり立ち合いから当たって上体を起こしていくこと。「自分のほうが大きいし、的が小さいのに?」と思うだろうけれど、それは関係ないんだよ。相手が大きかろうが小さかろうが、相撲の基本を思い出してほしい。当たって圧力掛けて、まわしを取れば若隆景に勝てるぞ。4日目に霧馬山が勝ったけど、よく動いていたよね。若隆景は、立ち合い真正面から来て、逃げないタイプでしょ? 彼は組んじゃうと勝てない相撲。だから、まず立ち合いで思い切り当たって中に入られないようにし、まわしを取れば若隆景は動けなくなる。若隆景をみんな絶賛してるけれど、僕に言わせれば他のお相撲さんたちがデレッとしていて動きが遅いんだよ(笑)。

御嶽海は「もともと”ビッグマウス”なんだよなぁ(笑)」

 最後まで優勝争いに絡んだ琴ノ若も、先場所に続いて今場所も本当によかったねぇ。もうちょっと膝と背中を丸めていくといいよ。彼は絶対に“上”に行くね。お父さん(初代琴ノ若)を超えるんじゃない? もっと思い切り当たって圧力があると、尚いいな。あえて言うと“足腰が不細工”なんだ。下半身が硬いんだよね。お父さんは膝も体も、すべて軟らかかったよ。たぶんおじいさん(元横綱琴櫻)に似たのかな。そう言えば、顔もおじいさんに似てるな。

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