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「東京五輪のコンビニが懐かしい」「鼻や頬が凍傷になった」北京五輪・現地記者が見た、聞いた“食事情&極寒問題”のリアル
posted2022/02/22 17:01
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
JMPA
北京五輪が終わった。アスリートの活躍に歓喜し、悲劇に胸を痛め、感動に涙しながら取材する裏で、各国のメディアはどんな毎日をおくっていたのか。日夜奮闘した記者やカメラマンに、北京五輪のリアルな食事情や移動について聞いた。
英国人記者「東京のコンビニが懐かしいよ」
――食事はどうしていましたか?
質問を向けると同時にせつない笑みを浮かべたのは、東京在住経験もあるベテランの英国人記者。
「去年の夏(東京五輪時)は新宿に泊まって、ファミマやセブンイレブン、ローソン……。毎晩行ったね。コンビニの食事はおいしいし安いし、最高だった。ああ、ウーバーも使えたよね」
――北京のホテルの食事はどう? 朝ご飯はバイキングですか?
「うん……。味がまずいわけではないし、野菜やフルーツもふんだんにあるのは良いのだけど、とにかく毎日同じなんだ。もう3週間近くたつけど、本当に毎日同じ。さすがに飽きたよ。東京五輪のコンビニが懐かしいよ」
出てくるものが毎日変わらないのは筆者が泊まっているホテルも同じ。よくよく聞けば、中身もかなり似通っていた。
「人生でこんなに毎日たくさんのミニトマトを食べたことはないくらいだよ。セロリも必ず食べる」
美食国といえ、メディアセンターの食事は…
ちなみに、スピードスケートの高木美帆はミニトマトとブロッコリーを、佐藤綾乃はドラゴンフルーツを毎日食べていたと言っていた。これらはメディア用のホテルと同じなので、バブル方式(選手や関係者を隔離し、外部と接触させない方式)で運営された北京五輪では食材もすべて一括で管理されていたのだろう。
オリンピックといえば、東京五輪を含めてメディアセンターの食事は毎度評判が良くないが、今回も「最悪だ」という声がもっぱらだった。「高い」「まずい」の評判は、世界に誇る食文化の国・中国をしても覆すことはかなわなかったようだ。