酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
ドラ1風間球打ら若手に交じって柳田悠岐は黙々、元気な松田宣浩の“心打たれる行動”とは《ホークス“C組キャンプ”レポ》
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKou Hiroo
posted2022/02/07 11:04
ソフトバンクのC組キャンプ。やはり松田宣浩はムードメーカーになっていた
春季キャンプは通常、投手と野手が、メイングラウンドとサブグラウンドに分かれてメニューをこなすが、C組は小所帯だからか、アップはメイングラウンドで一緒にやっている。
松田は若手を叱咤激励、柳田は黙々と
例年、宮崎のホークスキャンプでは、松田宣浩がファンの注目を集めていた。練習でも派手な動きとパフォーマンスでお客を楽しませていた。
筑後ではどうかと思ったが、やはり松田は松田だった。アップの時から声を上げて若手選手を叱咤激励している。身のこなしも派手で華がある。対照的に、柳田悠岐は黙々と体を動かしている。自分の体調を確かめながらアップをしている感じ。まさに「調整中」という印象だ。
アップの後は投手、野手に分かれてキャッチボール。筆者はメインで行われた投手組を見た。昨年のドラ1風間球打にとってはまだキャンプ3日目、笑顔はない。
元ロッテの荻野忠寛さんは「野球の練習ではキャッチボールが一番大事」と話していたが、投手のキャッチボールをじっくり見ていると、相手が構えるグローブにきっちりと投げ込む選手がいる一方で、野手の打球処理のようにスナップで投げる選手もいる。だんだんに距離が離れると、シュートしたり、スライドしたりする選手がいる一方、きれいな回転でボールを投げる選手もいる。球筋にもずいぶん差があることがわかってくる。
サブグラウンドでは内野ノックが始まった。やはりここでも三塁を守る松田宣浩が目立ちまくっている。大声で気合を入れながら派手な動きでボールをさばいている。
松田は筑後でも「野球が好きで、体を動かすのが好きでたまらない」というオーラを発散していた。
小川三軍監督に話を聞かせてもらった
サブグラウンドの観客席は小さい。お客は10分ごとの入れ替え制になっている。そしてメディアも観客席からグラウンドを見つめるだけ。記者たちはグラウンドレベルで選手に軽口をたたきながら取材ができた時代を遠い昔のことのように思っているだろう。
そんな中で背番号「76」をつけた指導者が、メイン、サブのグラウンドを行き来しながらあれこれと指示を出している。C組キャンプの責任者である小川史三軍監督だ。忙しい中だが話を聞くことができた。