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西武・中村剛也38歳に質問「昔より投手のレベル上がった?」…21年目は“ホームラン特化型”、その真意とは
posted2022/02/08 11:00
text by
菊地高弘Takahiro Kikuchi
photograph by
Sankei Shimbun
打率.284、18本塁打、74打点。
打率はキャリアハイにあと2厘に迫る高水準なのに、本塁打数は規定打席に到達した年では一番少ない。
この数字をどう解釈すればいいのか。第三者としてはいいのか悪いのか、判断が難しい。本人はどのように捉えているのか、率直に聞いてみた。
「それと一緒ですよ」
中村剛也はポツリとそう答えた。
「ホームラン王を獲ってる時は1本ポンって出ると、そのまま感覚が研ぎ澄まされて、ポコポコ出ていたんです。でも、去年も一昨年もなかなか続かない。なんかなぁ……とモヤモヤしていましたね」
球界最強・山本由伸からリーグ2位の安打数も…
プロ20年目となる2021年、本塁打王6回のキャリアを誇るアーチストは乗り切れずにいた。6月の交流戦中に「いい感じになりそう」と手応えを得たかと思ったら、左足を痛めてしまう。
「ヒットは出るけど、イメージした打球は本当に少なかった」
以前は振れば自然とホームランになった得意のコースや球種でも、打球が上がらずにライナーになる。シーズンが深まるごとに「なんでかな……」と煮え切らない思いが募っていった。
近年の中村は「前よりホームランへの意識が薄れてきた」とコメントする機会が増えていた。本塁打数の減少もその意識の表れなのかと思いきや、本人は首を横に振った。
「2018年くらいからその意識を持ち始めたんですけど、30本くらいは打てていましたから。最低でも20~30本は打ちたいんです」
今や球界最強の投手となった山本由伸から、中村はリーグ2位となる7安打(打率.292)をマークしている。だが、そのすべてがシングルヒットだった。
「映像を見返したんですけど、長打にできる球もゴロやライナーになっているなと。球の強さもあって難しいですが、打球を上げきれなかったなと。もうちょっと違うバッティングができたかなと思いますね」
中村剛也に質問「投手のレベルは上がった?」
現在のプロ野球界は山本だけでなく、千賀滉大(ソフトバンク)、佐々木朗希(ロッテ)など超人的な投球を見せる投手が続出している。「10数年前と比べてもレベルが上がったと思いませんか?」と尋ねると、中村は無表情のまま首をひねった。