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ドラ1風間球打ら若手に交じって柳田悠岐は黙々、元気な松田宣浩の“心打たれる行動”とは《ホークス“C組キャンプ”レポ》
posted2022/02/07 11:04
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Kou Hiroo
新型コロナ禍になってはや3シーズン目、昨年はすべてのキャンプ地が無観客。選手たちは観客が全くいない中で粛々とメニューをこなしていた。
今年は、新規陽性者数はどの地方も連日のように記録を更新している。しかしNPB球団は「感染症対策を万全に行う前提で」キャンプ地に観客を入れている。
一方で2021年は、厳しい状況と言っても選手、球団関係者の感染者はほとんどいなかったが、今年は毎日のように選手、関係者の陽性が明らかになっている。
福岡ソフトバンクホークスは、例年キャンプをA組、B組に分けるが、今季はC組を設けた。A、B両組は昨年と同じ宮崎市の生目の杜運動公園でキャンプを実施しているが、C組はホークスの二軍本拠地、福岡県のHAWKSベースボールパーク筑後で実施している。NPB一の大所帯のホークスは、選手を分散させることで感染拡大を食い止めつつ、キャンプ日程を消化しようとしているのだろう。
筆者は筑後には毎年数回は足を運ぶ。ファームとしては日本ハムの鎌ケ谷と双璧の充実した施設だ。二軍公式戦では唯一「指定席券」が販売され、施設内には飲食店も立ち並んでいる。
しかし春季キャンプは、飲食はカフェだけ。物販店も最小限しか設けていない。
それでもファンは朝から列をなしてやってくる。この球場は新幹線の筑後船小屋駅の真横にあるのだが、大きなスーツケースを引いたファン、スタジアムジャンパーを身にまとったファンなどが次々とゲートで検温、消毒を済ませて入場する。2年ぶりということもあるのかもしれない。
柳田・松田らが「慣らし運転」でC組スタート
C組は基本的に育成選手中心だが、それだけではない。新型コロナで陽性判定が出て隔離されていた主力級が、若手に混ざって始動している。
柳田悠岐、松田宣浩というNPBを代表するスター選手が、三桁の背番号の育成選手と一緒にゆっくりと体を動かしている。彼らはキャンプ前に陽性判定が出て自宅隔離を余儀なくされ、「慣らし運転」的なスタートとしてC組になったのだ。
また大きな背番号の選手に混ざって「1」をつけた選手もいる。昨年ドラフト1位の風間球打だ。さらに背番号「2」の大男もいる。MLBのドラフト1巡目を蹴ってソフトバンクに入団し、昨年一軍デビューを飾ったスチュワート・ジュニアだ。育成上がりの中軸候補、砂川リチャードもこの中にいる。
26人のC組の中には、大物選手がゴロゴロ混ざっているのだ。ファンはそのことをよく知っていて、朝早くから詰めかけているのだ。