- #1
- #2
サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「絶対に試合の入りを間違えてはいけない」中村憲剛が力説するサウジ戦“必勝”への備え「立ち位置の“すみ分け”とボールの失い方には要注意」
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph byTakuya Sugiyama/JMPA
posted2022/01/31 17:02
カタールW杯出場に向けて、勝ち点3が求められる2月1日のサウジアラビア戦。ホームのアドバンテージを活かし、前回対戦の雪辱を果たすことができるか
そういった前提条件を考えると、リスクを冒してまで積極的にくるとは予想しにくいです。また、先日のオマーン戦をホームで戦ったサウジアラビアの選手からすれば、日本はとんでもなく寒いはずで、体も動きにくいでしょう。
ボール保持時こそ「失い方」に注意したい
試合の入り方は重要です。絶対に入りを間違えてはいけません。
中国戦と同じメンバーでいくなら、ビルドアップは相手を見ながらプレーしているので、自分たちの形を変えながらどうやって相手陣地に侵入していくか。ただ、サウジアラビアのプレスの強度とスピードは中国以上のものと予想されるので、よりしっかりと相手を見てビルドアップをしてほしいと思います。
そして、これは中国戦の課題と同じですが、侵入した先のアタッキングサードでどう崩すか。それに加えて、失い方です。当たり前のことですが、1点取られると2点取らなければならなくなります。自分たちがボールを保持する時間が長くなった時ほど、カウンターからの失点は絶対に避けなければいけません。
失点を恐れずに、勇気を持って出ていく場面があるでしょう。その決断を下した瞬間に、受け手と出し手が崩しのイメージを共有することが大事です。慎重かつ大胆に戦っていく。
日本が引き分け以下に終わり、その裏でオーストラリアが勝つと、オーストラリアに勝ち点で抜かれてしまいます。3月のアウェイゲームで、勝たなければならなくなります。
これまでの歴史を振り返れば、彼らのホームで勝ち切るのは非常にタフな作業です。先のことを考え過ぎるのもいけないですが、やはりサウジを下してオーストラリアとの勝ち点1差をキープし、引き分けでもOKという駆け引きが考えられる状況で、アウェイへ乗り込みたいところです。
今回は最終予選で初めて、ホームでの連戦となります。長距離移動がないため回復を含めて練習回数が増え、環境も変わることがないのでストレスや疲労を感じることもないでしょう。中4日で迎えるサウジ戦は、いいコンディションで臨めると思います。
サウジ戦は、文字どおりの決戦です。「ここでやらなかったらいつやるんだ」という試合です。同じ相手に連敗するわけにはいかないでしょうから、選手にはすべてを出し切ってほしい。
やってくれる、と信じています。<前編から続く>
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。