その後は伊東が右サイドで幅を取り、久保建英が右サイドのハーフスペースで受ける場面が見られました。相手にとって嫌なことをするためと、カウンターを受けにくくなるように「立ち位置のすみ分け」を意識してほしいのです。

4－2－3－1の場合、久保建英ら前線の選手たちの「立ち位置のすみ分け」が重要になるという　©Takuya Sugiyama/JMPA

　あとはセットプレーです。次の試合は1点の価値がとても大きくなります。そういう意味では、中国戦でデザインされたセットプレーに可能性を感じたのと同時に、守備のセットプレーへの対応がとても気になりました。ひとつは68分の直接FKで、壁3枚の間を通されてあわやとなったシーンです。もうひとつが83分のFKで、ゴール前に上がったボールを競り合ったあとに、ペナルティエリア外からドフリーで打たれたシーンです。

　細かいことかもしれませんが、FKは壁がしっかりと対応すれば防げたシュートです。ペナルティエリア外から打たれたシーンも、こぼれ球のところへ人数を合わせていれば防げたかもしれません。

　選手交代が5人まで認められているので、終盤になるほどお互いに選手が入れ替わる影響で、マークやポジションをしっかり把握するのは難しいかもしれません。日本がリードしている状況では、相手が攻撃にさらに人数をかけてくるのでなお難しいと思いますが、ここは次戦に向けて確実に詰めておきたい部分です。

サウジは守備的な戦い方を選ぶ？

　この試合を迎えるにあたり、日本とサウジの間には、勝ち点「4」の開きがあります。前提条件としてこれは無視できません。サウジは勝てば2位以内が、つまりW杯出場が確定しますが、どういう精神状態とシステムで臨んでくるかは、ある程度予想はできるものの蓋を開けてみないと分かりません。

前回対戦ではサウジアラビアに敗れた日本。リベンジにかける思いは強い　©JFA

　システムはおそらく4－4－2か4－2－3－1だと思われますが、前線から積極的に来るのか。それとも、ブロックを作ってカウンターを狙ってくるのか。また、日本に勝ち点3を与えない戦い方をする、という選択肢も考えられます。序盤は無理をせずに、「勝ち点1でいい」と考えて入ってくるかもしれません。引き分けなら4差は変わらずで、サウジアラビアからすれば3月シリーズ初戦の中国戦の裏で日本とオーストラリアが直接対決をするので、自分たちが目前の試合に勝てば、自力で予選突破を決めることができます。

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