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郵便局員が今やWWEに 異色のキャリアを歩み続ける41歳鈴木秀樹、米リングネームが「Hachiman」に決定…その由来は?
text by
高木圭介Keisuke Takagi
photograph by2021 WWE, Inc.
posted2021/07/19 17:03
WWEのリングに初登場した鈴木秀樹(右)。新軍団「ダイヤモンド・マイン」のメンバーと、NXTクルーザー級王者・KUSHIDAを取り囲んだ ©︎2021 WWE, Inc. All Rights Reserved.
鈴木本人もWWE用のリングネームをあれこれと考案していた様子だったが、「ハチマン」はWWE側が提案した名称である模様。
鈴木の場合はそもそも本名で勝負しようにも、「SUZUKI」が自動車や二輪で有名なメーカーと被るし、「HIDEKI」にしても、太平洋戦争の戦犯である東条英機と被ってしまう……。
戦後間もない時期、東条英樹をモチーフとした日系悪役レスラーが米国マットに登場したとすれば、それはそれは悪役人気が爆発したはずだが、さすがに刺激が強すぎたのだろう。
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振り返ると「トージョー」よりも、やや時代がさかのぼる軍神・東郷平八郎をモチーフにした流血王・グレート東郷をはじめ、数々の「トーゴー」が米国マットで悪役人気を得たのは有名な話だ。
今はそんな時代でもないだろうが、リングネームをつける場合、まず米国人が発音しやすいこと、何か別の意味を持たせない、想起させないことが重要なポイントとなる。ハチマンの正しい命名由来は、鈴木本人も詳しくは知らない模様だ。
おそらくは武士の戦勝祈願でおなじみの「南無八幡大菩薩」や、八幡太郎義家(源義家)など、武運長久の神様みたいなモノが由来だろう。八幡太郎義家モデルの鎧兜や刀(の飾り物やプラモデル)は、昔も今も人気商品であり続けるし、米国人が目にする機会も多い。
中高年世代は「ハチマン」と耳にすると、ついつい昭和40年代後半に漫画もTVアニメも大人気だった『侍ジャイアンツ』(梶原一騎作・井上コオ画)にて、主人公・番場蛮の捕手にして、背番号100の人の好い先輩・八幡太郎平(はちまん・たろへい)を思い出してしまいがちなのだが……余談。
「ダイヤモンド・マイン」のもう1つの意味
チーム名の「ダイヤモンド・マイン」はダイヤモンド鉱山の意味。NXTそのものが、WWE全体の選手育成機関としての側面をも持つため、直訳のままでも新たに売り出される新ユニット名としては、まさにピッタリな命名だ。
ここから先は筆者の憶測も含まれるのだが、この命名はもう1つの意味をも含んだダブルミーニングではないか?