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「渋野日向子さんと松山英樹さんで取り上げ方が違いますよね」 女性アスリートを“アスリートとして見ない”国内メディアの問題 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph bySachiko Horasawa

posted2021/06/25 17:01

「渋野日向子さんと松山英樹さんで取り上げ方が違いますよね」 女性アスリートを“アスリートとして見ない”国内メディアの問題<Number Web> photograph by Sachiko Horasawa

井本直歩子氏は、ジェンダー平等を実現するために大きな役割を担うメディアにも、問題点があると指摘する

競技の理解を深める報道を続けていくことで

 競技の将来性という観点からだけではなく、そしてメディアにとっても、競技性をしっかり伝えることには実は重要な意味がある。

 競技の理解が深まっていけば、その競技への関心が一時的なものにとどまらず、持続するようになる。メディアにとっても、より「コンテンツ」としての価値が増して財産になる。

「でもどうしてもリテラシーが低い中でやっていて、今、目先のことを優先してしまうんですね。競技性やジェンダー平等を守るという動きを起こしていきたい。それはスポーツを観る人にも、自分のやりたいことを見つけていく子どもたちにも影響が大きいと思います」

 スポーツの発展のために。そしてそれは社会へも影響を及ぼす。

 多様性のある、個々が力を発揮できる環境を築くため、井本はジェンダー平等の理解を広げ、根付かせようとしている。

【はじめから読む】「これも差別だ、どうして耐えてきたんだろう」 給与、強化費、セカンドキャリア…日本スポーツ界に残る男女格差に“気づく”ということ へ

(写真=洞澤佐智子)

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