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【3戦連発+投手でも凄い】大谷翔平のスプリットは「最も打たれない魔球」 データで浮かぶ“田中将大らと違う2つの特徴”
text by
間淳Jun Aida
photograph byGetty Images
posted2021/05/19 17:04
大谷翔平のスプリットとストレートを解析すると、興味深いデータが浮かび上がってくる
「大谷選手のスプリットは横にあまり変化せず、真っ直ぐ縦に落ちている。シュート回転が強いと、投手は右打者にぶつけてしまうという心理が働きやすいが、大谷選手のボールは縦の大きな変化なので、右打者にも左打者にも投げやすいタイプに見える」
スプリットの球速にも秘密がある
「落差」に加えて、大谷のスプリットが「メジャーで最も打たれない」と言われるわけは「スピード」にもある。今シーズンの平均球速はストレートが155.4キロに対して、スプリットは143.7キロ。つまり、スプリットはストレートの92.5%の球速を計測している。
これだけのスピードでマウンドからバッターボックスに到達し、ストレートと球速差が少ないスプリット。しかも、シュート回転せずに真っすぐ縦に落ちるため、打者がボールを見極められず空振りするのも無理はない。投手有利のカウントであれば、なおさらだ。
大谷が宝刀にさらなる磨きをかけるために。森本氏は、あるポイントを指摘する。
「上原選手のスプリットは実は、そんなに落ちていない。田中選手のスプリットも落差が大きくない。それでも、2人があれだけの成績を残すことができた理由は低めへの制球力。大谷選手が低めに続けて投げ切るコントロールを身に付ければ、もっと空振りは増えるはず」
まだ進化する可能性を秘めている魔球。異次元の落差と球速に、コントロールが加わったら。アメリカのメディアや相手チームは、どんな言葉で表現するのだろうか。
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