フランス・フットボール通信BACK NUMBER
「成功の保証は何もないが…」バイエルンのフリック監督が電撃退団表明2カ月前に語っていたこととは
text by
![アレクシス・メヌーゲ](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
アレクシス・メヌーゲAlexis Menuge
photograph bySébastien Boué/L’Équipe
posted2021/05/19 06:00
![「成功の保証は何もないが…」バイエルンのフリック監督が電撃退団表明2カ月前に語っていたこととは<Number Web> photograph by Sébastien Boué/L’Équipe](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/4/9/700/img_49aaade06985aa1fcc054b87a69f76e2537971.jpg)
2020年8月、就任からわずか9カ月あまりで、フリック監督はバイエルンを9度目の欧州王者に導いた
その後、連敗(11月30日、ブンデスリーガ第13節、バイエルン1-2レバークーゼンと、12月7日、同14節、ボルシアMG2-1バイエルン)もあったが、単に結果が出なかっただけで、力強さは存分に見せることができた。勝者のエスプリも再び見いだせた。大事なのは自信を回復したことで、以降は気持ちが揺らぐことは決してなかった。攻撃的なスタイルが、選手に多くの効果をもたらした」
――勢いを持続させるためにどんなことをしましたか?
「私たちのアドバンテージは、すべてを分かち合う精神がロッカールームに溢れていることだ。誰もがチームメイトのために力になろうとしている。言葉も積極的に交わしており、あらゆる面でグループはうまくいっている。練習だろうとロッカールームだろうと試合だろうと、全員で喜びを分かち合うことこそが最高だ」
ADVERTISEMENT
――この10年というものバイエルンはブンデスリーガを支配しており、その重圧も背負っています。リーグのレベル向上を考慮したときに、あまりいいことではないのではありませんか?
「私は逆だと思う。ここ最近のブンデスリーガは以前よりさらに良くなっている。ヴォルフスブルクとフランクフルトはクオリティが高く追い風にも乗っている。RBライプツィヒとレバークーゼンには大きなポテンシャルがある。後は忘れてならないのがドルトムントとボルシアMGだ。ヴォルフスブルクとフランクフルトを除き、他はどこも毎年のように欧州カップを戦っている。CLの出場枠もドイツはずっと4を保ち続けている。それがブンデスリーガのレベルでありステイタスだ。
ブンデスリーガはスペクタクルで魅力的な試合を継続的に提供していると確信している。他の4つのビッグリーグを羨まねばならない理由は何もない」
ブンデスリーガ9連覇の歴史を作る
――ブンデスリーガ9連覇は最低限のノルマですか?
「すべてのベースはリーグにある。リーグでの成績がいいからCLにも出場できる。どのシーズンも第一目標はリーグ優勝であり、CL出場権と抽選の際にポット1に入る権利を確保することだ。
リーグは最も正直な大会で、シーズンを通しての戦いが全面的に反映される。ロジックが支配し、運が介入する可能性は低い。それぞれのシーズンに34回ずつ期待に応えねばならないのは本物のチャレンジで、グループにとってはそれがモチベーションの源になっている。選手はどのシーズンもチャンピオンになることを欲し、できる限り連覇を重ねて歴史を作ることを心から願っている」
――これだけ選手の質が高いと、監督は彼らにどんな能力を発揮させればいいのでしょうか?
「最初にやるべきことは、ロッカールームの雰囲気を変えて目的をはっきりさせ、それを達成するための態勢を整えることだ。監督は選手に適応しなければならず、彼らが進歩するようにすべてを整える。それこそが最も大事なことだ。
それから私は、目的達成のためにあるやり方を執ることが重要だと思っている。つまり日常的に不可欠ないくつかの価値を具体化することだ」
――どういうことですか?