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【80歳に】オシムの言葉に奮い立った愛弟子たち… 阿部勇樹「早く一人になって泣きてぇ」、巻誠一郎「洗脳されてます(笑)」
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byTamon Matsuzono
posted2021/05/06 17:01
阿部勇樹とイビチャ・オシム。名伯楽が育てた選手たちもまた、日本サッカーの財産だ
「1時間半の練習が終わるともう……」
「考えながら走るという感覚でやっていました。だから1時間半の練習が終わるともう何もしたくない」
試合さながら、いやそれ以上に心身を使い切るトレーニングメニューをオシムが組んだのは有名な話だ。そんな濃密な練習の日々が、ジェフのサッカーを進化させることになった。
<名言3>
(オシムさんは)68m×105mというピッチの規格のように、何があっても変わらない真理のような存在。
(江尻篤彦/Number798号 2012年2月23日発売)
◇解説◇
オシムが率いたジェフ千葉の「走るサッカー」は、現代サッカーにも通じる革新的な戦術であった。
コーチを務めた江尻もオシムに多大な影響を受けた1人だ。欧州CLでのACミランの失点シーンを「Jリーグでも起こり得ることだから」と練習に落とし込む日もあれば、スタメン組を江尻らが、サブ組をオシムが見ることもよくあったという。
対戦相手のスカウティング班が頭を悩ますほど複雑で濃密な準備は、一方で選手たちに自信を与えていく。
「彼に教わったものは、その進化のベースに必ずあるのだろうと思います」
江尻には、今もオシムの教えが受け継がれている。