水田：それがですねー、健常者は自力で銃を支えるんですけど、私の場合、握力がほとんどなくて自分で銃を支えられないから支持スタンドに銃を乗せるんですね。そこがパラ射撃とオリンピックの射撃競技との違いです。ちなみにクラス分けでいうと上半身に障害がある「SH2」クラスの、さらに下半身にも中度の障害がある「Cb」に分類されます。クラス分け以外は使う弾の大きさも、的までの距離も、射撃時間も同じなんですよ。

射撃に初挑戦！「意識が的に集中する感覚が心地いい」

松岡：よし、僕も撃ってみます。あ、銃って、結構重いんですね。水田さんのエアライフルは何キロくらいあるんですか？

水田：4.2kgです。松岡さんが使っているビームライフルも重さは大して変わらないですよ。

松岡：（リアサイトを覗いて）あんこ玉が見えました。でも、中心は見えません。

鳥居：黒点を見つめるんじゃなくて、フロントサイトのリングに焦点を合わせてください。

松岡：そうか、あんこ玉じゃなくて、リング。

鳥居：そう、リングの真ん中にあんこ玉があるよ、というのが射撃の見方です。

水田：鳥居さんまで「あんこ玉」って言ってる（笑）。

　松岡さんの初射撃は1発目が8点、2発目が9点と感覚の良さを見せつけた。ちなみに得点表示は初心者向けに整数で設定されていて、小数点なしの10点満点だ。

松岡：初めてでこの得点って、僕、すごくないですか!?

鳥居：松岡さん、ぜひ10点を出してください。水田選手は初めてビームライフルを撃ったとき10点を連発していました。

松岡：そ、そんな。初めてで9点取ったら、普通ベタ褒めじゃないですか。

　予想外の言葉に戸惑いながらも10点満点を狙う松岡さん。その結果、なんと6発目にして10点満点をマークした！

水田：すごーい！　さすがですー。（拍手）

松岡：今、めちゃくちゃ嬉しいです。慣れてくると、あんこ玉が見やすく美味しく見えてきますね。リアサイトから素通しで見ているだけなのに、フロントサイトのリングに同心円をイメージするだけで全く見え方が違いますね。広い視野がひゅーっと狭まって、意識が的に集中する感覚がものすごく心地いいなぁ。ちなみにうまく撃つコツって何ですか？

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