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わずか3年で東京パラリンピック代表! パラ射撃界のニューヒロイン・水田光夏に松岡修造がほめられる

posted2021/03/07 06:00

 
わずか3年で東京パラリンピック代表! パラ射撃界のニューヒロイン・水田光夏に松岡修造がほめられる<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

水田光夏選手と会って初めてビームライフルに触れた松岡さん。当初はまったく感覚がつかめなかったが……

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松岡修造

松岡修造Shuzo Matsuoka

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Yuki Suenaga

 松岡修造がパラアスリートとじっくり向き合い、半生を掘り下げていく「松岡修造のパラリンピック一直線!」。連載第14回はパラ射撃の水田光夏選手をゲストに迎える。

 本格的に競技を始めてわずか3年余りで2020年東京パラリンピック日本代表に内定した水田選手は日本のパラ射撃界に現れた期待の新星だ。髪を二つ結びにしたツインテールと鮮やかなピンク色の射撃用ジャケットがトレードマーク。銃を持っていなければ一見、今どきの女子にしか見えないが、中学生の頃から進行性の難病を抱えている。

 数多あるパラ競技の中からなぜ射撃を選んだのか? 短期間でどうやって強くなったのか? たくさんの質問を抱えインタビュー会場(足立区総合スポーツセンター)にやってきた松岡さんは、一足先に射撃場で練習を始めていた水田選手の邪魔にならないよう、そっと場内に足を踏み入れた。

 高さ2.4mしかない天井に身長188cmある松岡さんの頭が届いてしまいそう。一方、水田選手は松岡さんに気づいているのかいないのか、エアライフルを構えたまま射撃を続けている。(全4回の1回目/#2#3へ)

わずか0.5mmを撃ち抜く射撃競技

松岡:わ~、射撃場って思っていたより天井が低いんですね。(10m先にある的を見て)うわっ、的、小さっ!

水田:(チラッと松岡さんを見る)

松岡:落ち着いてますね。普通はもっとリアクションするんですけどね。

水田:はぁ(苦笑)。

松岡:あれ、見えます? あの黒いまん丸さん(=直径30.5mmの的のこと)は僕にも見えますけど、そのど真ん中(=0.5mmの中心部分)は小さすぎて見えない!

水田:私も見え方は変わりませんよ。サイトを覗いても拡大して見えるわけじゃないので。

松岡:え、これって拡大鏡じゃないんですか? じゃ、どうやってあの小さな中心を狙ってるんですか?

水田:銃の手前側にあるリアサイトを覗くと、向こう側にあるフロントサイトのリングが見えるので、その同心円で真ん中だろうと判断します。

松岡:同心円って何ですか? 感覚で撃ってるってこと? それでなんで当たるんですか?

【次ページ】 10.9点満点中、10.6点以上が当たりという感覚

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