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箱根駅伝の“プラチナ世代” 五輪内定から人気YouTuberまで「2020年卒業生」が凄い<歴代 “意外な進路” も>
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byYuki Sunenaga
posted2021/02/02 11:01
2020年箱根駅伝でデットヒートを繰り広げた相澤晃と伊藤達彦
彼ら以外にも優れた選手を多く輩出した20年卒業組。選手の名前を改めて見てみると結果、実力のいずれも優れており、これからの陸上界を担う世代になるのは間違いないだろう。昨年は、まさに「プラチナ世代」と呼べる豊作な顔ぶれだったが、箱根戦士は実業団だけではなく、過去にもいろんな分野を進路に選択し、陸上の魅力を伝えている。
実業団だけじゃない!箱根経験者の“意外な進路”
「山の神」として名を挙げた“2代目山の神”東洋大出身の柏原竜二氏は、富士通に入社後、相次ぐ怪我の影響で27歳の時に現役引退を発表。その後に、同社のアメリカンフットボールチーム「富士通フロンティアーズ」のマネージャーなどを務めていたことが話題になった。現在は、広報の仕事をしながら箱根駅伝など陸上競技の解説を積極的にこなしている。
箱根駅伝出身のプロランナーといえば、第一人者には大迫傑がいる。マラソンの日本記録(2時間5分29秒)を持ち、彼に憧れてマラソンをする子供たちが増えた。陸上界のインフルエンサーと言える。
“3代目山の神”と呼ばれた神野大地も、大迫に続いてプロのランナーとしてマラソンに特化し、レースはもちろん各大会のゲストランナーとしても活躍中だ。昨年の夏には国士館大3年時、1区を走った福田穣もキプチョゲ主宰のNN RUNNING TEAMに入り、プロ活動を始めている。ケニアで練習に取り組んでおり、今後が楽しみだ。
箱根経験を生かして“指導者”へ
その他にも、陸上の経験を活かして市民ランナーなどを対象に、ランニングスクールを設立・経営している箱根戦士もいる。
八木勇樹氏は、早大3年の時に9区2位で箱根駅伝優勝、大学駅伝3冠達成に貢献、卒業後は旭化成に進んだ。2016年に退社後、YAGI RUNNING TEAM(現RDC RUN CLUB)を設立し、市民ランナーをサポートしている。コーチには森賢大(元日体大)、中谷圭佑(元駒大)ら箱根経験者も名を連ねており、練習会には多くの市民ランナーが参加している。その規模と質の高さは国内随一ではないだろうか。