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箱根駅伝の“プラチナ世代” 五輪内定から人気YouTuberまで「2020年卒業生」が凄い<歴代 “意外な進路” も>
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byYuki Sunenaga
posted2021/02/02 11:01
2020年箱根駅伝でデットヒートを繰り広げた相澤晃と伊藤達彦
箱根駅伝から“五輪出場”を目指す「プラチナ世代」
20年に箱根優勝を果たした青学大では、主将の鈴木塁人がSGホールディングスに入社。鈴木と同期入社は東海大の黄金世代である關颯人、阪口竜平、帝京大で5区を走った平田幸四郎といったメンバーで、チームはここ2年で箱根戦士を大量に獲得して強化を進めている。
箱根4区で区間新を出してトップに立ち、優勝に貢献した吉田祐也はGMOインターネットグループに入社。卒業後はマラソンに特化した強化で力を蓄え、昨年12月の福岡国際マラソンで優勝を果たした。パリ五輪を狙うマラソン日本代表候補へ成長しつつある。
東海大で箱根6区を走り、57分17秒の区間新を出した主将の館澤亨次は、DeNAに入社。長距離から1500mにターゲットを切り替え、TWOLAPSの横田真人コーチの指導のもと、新谷仁美らから刺激を受けて練習に励んでいる。昨年の日本選手権1500mでは大学3年以来の優勝を果たし、今年は東京五輪参加標準記録を破り、本大会出場を目標にしているという。
副将で3区を走った西川雄一朗は、住友電工に入社。館澤が故障に苦しむ中、チームをまとめるキャプテンシーのある選手で、渡辺康幸監督のもと、田村和希、遠藤日向ら個性あふれるチームで脚を磨いている。
ちなみに住友電工の同期入社には、明大のエースだった阿部弘輝がいる。阿部は怪我を抱えたまま7区を走り、区間新を出すという驚異のエピソードを持つ。2人は今年のニューイヤー駅伝で、阿部が1区、西川が2区を走り、実業団駅伝デビューを果たしている。
その他にも、今年大旋風を巻き起こした創価大は、米満怜が強豪相手に真っ向勝負を挑んだ走りで1区区間賞を取り、昨年コニカミノルタへ入社した。東洋大の6区のスペシャリスト今西駿介は、トヨタ自動車九州で初代山の神の今井正人主将のもとで競技を継続している。