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4歳でデビューのウエンツ瑛士が語る“TVに足りないもの”「出演者が楽しんでない『YouTube』はない」
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph by山元茂樹
posted2020/12/22 11:04
タレントで俳優のウエンツ瑛士さん
ウエンツ 僕は考え方が古いんですけど、テレビって「自分の人生も何もかもすべてさらけ出して、ゲラゲラ笑ってもらうというコンテンツ」だと思ってるんです。破天荒だったり、落ちぶれたり、踏み外しもするけれど、そこから一歩前へ踏み出す、ドラマチックなことをやる人間がテレビでは見られるはずだった。
でも、今は「清く正しくまっとうに生きてください」というメッセージばかりで、逆に「すべてをさらけ出すようなことはしないでください」という場所になっている。そういうことも、イギリスへ行く前の僕が仕事を楽しめていなかった要因だったと思っています。
――でもウエンツさんは、今も昔も「バラエティ番組」の中心に立っているイメージが強いかもしれません。
ウエンツ そうですか? ほかの方の番組にお邪魔するときは別ですけど、自分の番組ではなるべく最近のバラエティっぽくないようにしたいなと思っています。ゲストにもさらけ出してほしい。そのために、まずは自分からさらけ出すようにしています。
決まった役割や雰囲気の予定調和じゃなくて、さらけ出して出演者が楽しむ。出てる人が楽しんでいない「YouTube」って見たことないでしょう? そこが今のテレビには乏しいのかもしれないです。
小栗旬と語った「今がピークだと思っていない」の真意
――番組で“自分をさらけ出す”と聞いて、イギリスへ行かれる前に番組で小栗旬さんと対談されていたことを思い出しました。熱い意見を交わしながら、「今がピークだと思っていない」と。
ウエンツ おこがましいんですが、今立っている場所に自分で登ったという実感がないな、とその時思ったんです。いろんな人に支えられて、すごく運が良かっただけじゃないかと。
だから、仕事の大小じゃなく、「たどり着いた!」というような実感が何かつかめたら、その瞬間が自分にとってのピークなんだろうと思うんです。自分の足でしっかり立って、今度は自分が周りのスタッフを幸せにできるかもしれない。
――舞台で言えば、座長だったり、そういうリーダーシップを発揮できる存在になりたいと。
ウエンツ ここからは、そうならないといけないと思います。自由に誰よりも楽しみながら、ちゃんと自分で責任を取る。自由だけど、自己責任。まさに西武ライオンズのカラーですね(笑)!