だから今の若いタレントさんは、「それはできません」とはっきり言う方も多いです。僕が彼らと同じ年齢の頃にそれができたかと言われれば、その覚悟はなかった。僕と同世代の方ともよくそんな話をします。「僕らの時代で『やらない』と言ったら、やめさせられていたよね」と（笑）。でも、実際、やめることになっても、今の若い人たちはテレビ以外にもやることがいくらでもある。本当にいい時代になったと思います。

――なるほど。とはいえ、ウエンツさんのように「なんでもやります」というスタンスだった人が、急に変わると……。

ウエンツ　結構、驚かれている人も多いと思います。これから先「どうしたの？」とか、「イギリスから帰ってきたら天狗ですか？」みたいなことも言われるかもしれないですね（笑）。でも自分の意志をちゃんと伝えながら、上手にコミュニケーションをとるやり方もイギリスで学びました。

――お互いの意見や要求を伝えて、話し合いながら、着地点を見出すのは、欧米の人は得意ですからね。

ウエンツ　断り方とかもうまいんですよ。話し合うのもすごく上手。そういう場所でひと呼吸おいたことで、僕もいろんな決断ができるようになったと思います。イギリスでの時間で得た副産物は、本当にたくさんあります。

「YouTube」にあって、「テレビ」にないもの

――「若者のテレビ離れが進んでいる」とよく言われていますが、芸能界の第一線で活躍してこられたウエンツさんから見て、テレビという媒体の変化を感じますか？

ウエンツ　今、強く思うのは、テレビに出ているというだけでのアドバンテージは、まったくなくなったということ。子供たちもそうですが、やっぱり若い人が見ていないですよね。若い人に聞いても「おじさんとおばさんがしゃべっているもの」って言われるから（笑）。

　そういうなかで、出演者の内面がクローズアップされる番組が増えているのを見ていると、結局“どこまでさらけ出せるか”になってきてる気がします。

――さらけ出す？

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