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神様ジョーダンは今なら炎上? 「八村塁くんは野茂や中田と同じ」スチャダラパーBoseのNBA愛
text by
生島洋介Yosuke Ikushima
photograph byKiichi Matsumoto
posted2020/11/26 11:02
NBAへの愛が深いスチャダラパーのBose。取材でもその造詣の深さを見せてくれた
NBA選手はラップしがちじゃないですか
「NBAはブラックライブズマターのような社会の動きと切り離せないし、選手も影響力を持った存在と自覚して振る舞っています。6年前、レブロンはエリック・ガーナーさんが警官に殺されたときも、『I can't breathe』と記したTシャツをすぐに着ていた。声高に言わずとも、はっきりと意思を示したんです。
それに昔からシャック(シャキール・オニール)とかアイバーソンとか、NBA選手はラップしがちじゃないですか。文化が近くて互いにリスペクトしてるから。最近だと、例えばデイミアン・リラードが本格的に活動していますが、今年の曲はこれまでになく強いメッセージがありました。
いまやアスリートはしっかりした主張ができないと、ちょっと子供っぽくみえるかもしれない。大坂なおみさんのボイコットもそうで、アメリカではああいう行動は異端ではなくど真ん中。それをやってこそ、今のアスリートという印象です。日本にいるとNBAとBLMは遠いものと感じてしまうかもしれないけれど、まさに地続き。そうした背景も含めてNBAを見ると、レブロンの言葉の重みも変わってきます」
八村vsレブロン、カリーを見るだけでも
コロナで長引いたシーズンは、レイカーズの優勝で10月に幕を閉じたばかり。さすがに来年にずれ込むと思われた新シーズン開幕が、12月22日に決定した。最後に、久々にNBAを観るような人におすすめの観戦方法ってあります?
「いまはどの試合でも観られるのでかえって迷うかもしれない。やっぱり優勝したレイカーズと復活するはずのウォリアーズを観るのがいいと思いますよ。そして八村くん。野茂(英雄)や中田(英寿)と同じですよ。多くの人は、野茂が投げてる試合でメジャーに親しんで、中田が出る試合でセリエAに詳しくなったでしょう。昔はただただ観るだけだったのが、八村くんという接点を持って楽しめるわけですからね。まずは八村くんを追いかけて、レブロンやカリーとの対戦を観るだけでもいまのNBAを十分に楽しめるはず。
ちなみに、そのウォリアーズは、90年代にニックスで活躍したマーク・ジャクソンがヘッドコーチだった時にああいう戦い方を始めて、後を継いで結果を残したのがブルズにいたスティーブ・カー。二世選手もたくさんいて、カリーもそうだし、ティム・ハーダウェイJr.もいる。冗談でもいいからクロスオーバーやってくれ! って思うけど、そこは絶対やらない(笑)。昔を知ってる人は、そういう部分も楽しめますよ」