情熱のセカンドキャリアBACK NUMBER
元ラグビー日本代表・齊藤祐也は今、何を? アパレル業→LEDランプ事業を経て、豊島区で…
posted2020/11/17 17:01

明治大学、サントリー、神戸製鋼で優勝を経験し、日本代表でも活躍した齊藤祐也
text by

二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph by
Takuya Sugiyama
雨の音を、子供たちの元気な声がかき消していた。
小さな手には扱いづらそうなラグビーボールが、「コーチ」と呼ばれているその人の手に収まるとおとなしくなる。
東京・豊島区立南長崎スポーツセンターのグラウンド。元ラグビー日本代表で、フランスでは日本人フォワードとして初のプロ選手となった齊藤祐也がここで子供向けのスポーツ教室「コーディネーション・アカデミー」をオープンしてはや7年になる。
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ラグビー教室かと思いきや、そうではない。
ラグビーは「ボールパーク」コースの1つに組み込まれていて、野球、サッカー、フラッグフットボールと週ごとに種目が変わる。コースは「ボールパーク」のほかにも「かけっこ」、「チアダンス」があり、齊藤のコネクションによって集まった指導陣が教えている。
いろんな球技をやることで応用が利いてくる
齊藤はラグビーをメーンで教えているが、野球、サッカー、フラッグフットボールではアシスタントコーチに入り、かけっこではサーキット系の指導を担当する。
いろんなスポーツをやることに意味がある。齊藤はそう信じてきた。
「僕は高校でラグビーを始める前、野球、サッカー、水泳などいろんなスポーツをやってきました。その競技ひと筋のほうがいいという考え方もあるとは思いますけど、僕自身はいろんなスポーツをやることで得るものが非常に大きいと感じてきましたから」
いろんな球技をやることで応用が利いてくるという。
「教室を開いて2、3年目のことでした。フラッグフットボールには後ろからのパスを前の人が走って受け取る動作があるんですけど、受け手の子はボールを見ながら走るんじゃなくて落下地点を予測して走ってキャッチしたんです。僕もコーチもびっくりしました。野球とかいろんなスポーツをやってきたから、そういう感覚が磨かれたのだと思いました」