情熱のセカンドキャリアBACK NUMBER
齊藤祐也が子供教室で学んだ“情熱”、「ノーサイド・ゲーム」の監督からもらった宝物とは
posted2020/11/17 17:02
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph by
Takuya Sugiyama
明治大学やサントリー、神戸製鋼などで活躍した元ラグビー日本代表の齊藤祐也さんに引退後のセカンドキャリアについて語ってもらいました。全2回の後編です。(前編はこちら)
元ラグビー日本代表の齊藤祐也が元プロ野球選手や他競技の元アスリートから受けてきた刺激――。
彼が代表を務める子供向けのスポーツ教室「コーディネーション・アカデミー」には名の知れたスポーツ人が講師に入っている。
「ボールパーク」コースの野球は元プロ野球選手、サッカーは元Jリーガーが名を連ね、「かけっこ」コースにはオリンピアンの市橋有里らもいる。
過去、齊藤が刺激を受けた1人に元ヤクルトの投手、矢野和哉(現在は東洋大牛久高監督)がいる。
ありったけの情熱を注がなければ……
「少し前の話になりますが、矢野さんに担当していただいたことがありました。教室が終わった後に僕のところに来て、謝ってきたんです。
『子供たちをうまく集中させられなかった。お金は要らないからもう1回やらせてほしい』と。僕にはそう感じなかったんですけど、矢野さんのなかでは納得いかなかったみたいで。
このボールパークはいろんな球技をやるので、野球があんまり好きじゃない子もいます。だからと言ってあきらめるんじゃなくて、再度、情熱を注いで教えていただきました。
僕はその姿を見て、しっかり学んでほしいという思いがあれば子供たちにも伝わるんだなと教わりました。情熱を持って教えることができなくなったら、指導者をやめようって思いました。それくらいのインパクトが僕のなかにはあったんです」
子供は大人を見抜く。そして子供は大人を映す。
ありったけの情熱を注がなければ、ありったけのレスポンスは返ってこない。