情熱のセカンドキャリアBACK NUMBER
元ラグビー日本代表・齊藤祐也は今、何を? アパレル業→LEDランプ事業を経て、豊島区で…
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byTakuya Sugiyama
posted2020/11/17 17:01
明治大学、サントリー、神戸製鋼で優勝を経験し、日本代表でも活躍した齊藤祐也
スポーツから離れようとしたのになぜ?
地道な活動がようやく花開きつつある。
コロナ禍の中断期間を経て7月に活動を再開したが、会員数は減るどころか過去最大で増えているという。評判を聞きつけ、問い合わせも多くなっている。
齊藤祐也、現在43歳。
彼はなぜ「コーディネーション・アカデミー」を立ち上げたのか。ラグビー、いやスポーツから離れようとしたのになぜ――。
言わずとしれたラグビー界のスターだ。
1996年、明治大学1年で大学選手権制覇に貢献して、卒業後はサントリーに入団して日本選手権優勝を経験。翌年はサントリー単独でウエールズに勝利する快挙を成し遂げ、社会人も日本選手権も制してフランス1部コロミエとの契約にこぎつける。レギュラーとして活躍しながらもトップリーグ設立のタイミングで神戸製鋼入り。ここでもトップリーグ初代王者に輝いている。
「もうラグビーはやりつくした感がありました」
その後欧州での再挑戦にトライしたが、契約まで至らずにトップリーグ昇格を目指していた豊田自動織機に入団。2011~12シーズンを最後に、35歳で引退した。
「もうラグビーはやりつくした感がありましたし、優勝も多く経験しました。スポーツから離れて次はビジネスの世界で優勝したいって思ったんです」
アメリカで商品を買いつけるアパレル業を始めたが、うまくはいかなかった。続いてLEDランプ事業を手掛け、その営業で南長崎スポーツセンターを訪れたことがスポーツ教室を立ち上げるきっかけになった。
「施設の人がたまたま僕のことを知ってくれていました。施設も空いているので、子供にスポーツを教えてみてはどうですか? と言われて、じゃあ子供向けにスポーツ教室をやってみようかなと考えたんです。
(ラグビーから)1年離れたことが逆に良かったと思うんですよ。後輩たちからは『子供に教えるイメージない』『怖そうだから、子供がびびっちゃいますよ』とか散々言われましたけど(笑)。離れてからの1年で自分なりに心の変化はかなりあったと思うんです」