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日本ラグビーの“大学文化”と代表の新旧交代 期待は明治大の「普通でない人」や頑丈な慶大の… 

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藤島大

藤島大Dai Fujishima

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2020/09/24 17:00

日本ラグビーの“大学文化”と代表の新旧交代 期待は明治大の「普通でない人」や頑丈な慶大の…<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

今季から主将を務める明治大・箸本。アタックだけでなく、献身的なディフェンスも魅力だ

明治大・箸本龍雅が見せた追走

 明治大学主将のロック/ナンバー8、箸本龍雅。部の公式ページには「188cm・107kg」と記されている。

 本年1月11日。東福岡高校を出た「巨漢」は数年のうちに日本代表となるべきだと思った。新しい国立競技場での大学選手権決勝。その後半33分である。

 早稲田大学が中央線付近のスクラムを起点にアタックを仕掛けた。エースでナンバー8の丸尾崇真が右のサイドを鋭く抜き、14番の桑山淳生につないでインゴールへ。
 
 そこに出現したのが紫紺と白、明治の背番号5であった。足首あたりを刈り、なんとかトライを阻もうとする。

 おそるべし。スクラムの真ん中で疲れた脚を前へ運んだ直後、体重100kg強がだれよりも早く速く追った。ほとんど追いついた。

 人間の可能性を教えてくれた。すなわち「あっ。普通の人ではない」と思った。

 根深い意地や使命感、それを遂行する素質。こういう個性は早くジャパンに選んだほうがよい。昨年度の早稲田の9番、齋藤直人(サントリー)の攻守も重なる。

ロックには低く、3列では遅い。しかし……

 箸本の体格は国内では「巨漢」だ。でもインターナショナルの標準では「ロックには低くフランカーやナンバー8では遅い」とされがちだ。

 されどジャパンがことをなすときは必ず接戦なのだから「修羅場に普通の人でない」なら選ぶ側が適したポジションを見きわめて仕込めばよい。

 ちなみにオールブラックスも、このほど、背の低い(190~193cmとさまざまな表記)ロック、20歳のカレン・グレース(クルセイダーズ)を他ポジション起用含みで抜擢している。

【次ページ】 ジャパン入りを望める若手は?

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