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J1勢が目を光らせるJ2の若い才能。
長崎の毎熊から山口の17歳FWまで。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byJ.LEAGUE
posted2020/08/29 11:40
長崎の毎熊はプロ1年目のコンバート直後から結果を出す類まれなるサッカーセンスを見せつけている。
J1各クラブが目を光らせている。
大卒2年目の24歳とプロ3年目の20歳は、J1各クラブの強化担当が追跡するタレントだ。さらに言えば、4-4-2のシステムで右サイドハーフとボランチで起用される高橋大悟、2列目左サイドを担当するドリブラーの椿直起も魅力的な「個」である。21歳の高橋は清水エスパルスから、20歳の椿は横浜F・マリノスからの期限付き移籍だが、どのクラブにとっても魅力的なタレントと言える。
3位の徳島ヴォルティスでは、プロ5年目の垣田裕暉が覚醒している。所属元の鹿島アントラーズを離れてJ2で経験を積んでおり、ツエーゲン金沢で2018年に9得点、2019年に8得点と実績をあげ、徳島入りした今シーズンはすでに7得点をあげている。
昨年のJ2で日本人最多得点をあげた呉屋大翔は、長崎から柏レイソルへ引き抜かれた。日本人2位の一美和成は、京都サンガから横浜FCへ所属先を変えた。このまま得点王争いを演じていけば、181センチのストライカーにも様々な選択肢が提示されるに違いない。
磐田、福岡、大宮にもJ1級のCBが。
1年でのJ1復帰を目ざすジュビロ磐田では、伊藤洋輝がチームに新しい風を吹き込んでいる。名古屋グランパスからレンタルバックしたプロ3年目の21歳は、ボランチからセンターバックへのコンバートで新たなプレースタイルを獲得しつつある。
左足から繰り出す長短のパスで、攻撃の起点となっているのだ。188センチと体格にも恵まれており、東京五輪代表の候補にも浮上していきそうだ。
東京五輪の出場資格を持つセンターバックでは、アビスパ福岡の上島拓巳が成長著しい。柏レイソルからの期限付き移籍で加入し、ここまでチーム唯一の全試合フルタイム出場を記録している。
対人プレーに力強く、エアバトルの勝率はJ2屈指と言っていい。プロ2年目の23歳はゲームキャプテンを任されることも多く、最終ラインからチームを鼓舞していく。
大宮アルディージャの西村慧祐も、大卒1年目で主力級の活躍をしている。高木琢也監督が「タテにつけるのがすごくうまい」と話し、自らも特徴にあげるフィードは精度が高い。空中戦にも自信を持つ。3バックと4バックを併用する指揮官のもとで、戦術的な引き出しを増やしていけることも成長を促すだろう。