酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
PL、大阪桐蔭を上回る横綱は……。
戦後昭和&平成以降の甲子園番付。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKou Hiroo
posted2020/08/13 11:50
幕下上位までの「戦後昭和&平成の甲子園番付」。ぜひ別項で三段目以降の“完全版”も確認してほしい。
大阪桐蔭を抑えて勝利数1位は……。
東は平成以降。
横綱は大阪桐蔭かと思ったが、2勝差で智辯和歌山。甲子園初出場は1985年のこと。平成以降では65勝32敗。春1回、夏2回優勝。1980年に兄弟校の智辯学園から転任した高嶋仁監督一代で強豪校になった。
智辯和歌山が不思議なのは、甲子園では強豪だが、プロで活躍した選手があまりいないこと。レギュラーになったのは現役の西川遥輝くらいだ。
大関が大阪桐蔭。63勝12敗という圧倒的な勝率である。1991年、創部4年目で夏制覇したのを皮切りに春3回、夏5回の優勝を果たしている。特に1998年に西谷浩一監督になってから強くなった。
2012年、2018年に2度の春夏連覇。智辯和歌山とは対照的に大阪桐蔭からは中村剛也、岩田稔、西岡剛、平田良介、中田翔、藤浪晋太郎、森友哉とスター選手が続々生まれている。
明徳、仙台育英、横浜、履正社は?
関脇は明徳義塾。野球王国といわれる高知県、高知商、高知、土佐など名のある高校を退けて、甲子園の常連校になった。
2010年から19年の10年で、夏は9回、春は5回甲子園に出場。51勝32敗。2002年夏は優勝している。馬淵史郎監督の采配が大きい。ただこの学校も、プロで活躍したのは伊藤光くらいだ。
小結は仙台育英。44勝30敗、優勝こそ果たしていないものの春9回、夏20回出場の実績は立派である。また佐藤由規、平沢大河など甲子園を沸かせたプロ選手を輩出している。
なお前頭筆頭には1998年、松坂大輔を擁して春夏連覇を果たした横浜がつけている。近年、大阪桐蔭と「2強」を形成しつつある履正社は、十両8枚目。22勝11敗、優勝1回。ここから追い上げてくるのだろうか?