熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
本田圭佑、英語を駆使しボタフォゴの
YouTubeで大いに語る。その内容は?
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byHiroaki Sawada
posted2020/08/12 19:00
インタビューに応じた本田圭佑(クラブ公式YouTubeからのスクリーンショット)。サッカー王国もその発信力に興味津々だ。
ブラジルを楽しみながら学んでいる。
――あなたはアジアから来て、我々とは異なる文化を持っています。これまで多くの国の多くのクラブでプレーしており、国際経験が豊富です。ブラジルのフットボールのどこに興味を覚えていますか?
「ブラジルリーグについては、まだわからないことが多い。誰もが『日程に適応するのがとても難しい。巨大な国で、地域によって気候が異なり、試合間隔が短い』と言いますからね。パウロ・アウトゥオリ監督も『我々には11人以上の選手が必要だ。さもなければ、この困難なリーグは戦えない』と話していますし。
僕は今、ブラジルのフットボールについて学んでいるところです。どうして、ブラジルが世界一強いのか――ACミランやCSKAモスクワなどで多くの優れたブラジル人選手と一緒にプレー、もしくは対戦してきました。だからこそブラジルのフットボールを経験し、楽しみながら学び、自分自身をさらに高めたいと思っている」
16歳の選手に「勉強しているか?」
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――あなたは、ボタフォゴの選手たちに何を伝えたいと思っていますか?
「自分の経験を伝えたいですね。ここには優れたテクニックとフィジカル能力を備えた選手がいる。だけどフットボールでは組織力が大切。1人の力だけでは(試合に)勝てない。個人としてではなく、チームで勝たなければならない。大切なのはチームの戦略は何か、目的は何かを理解すること。
僕たちは、強いチームに負けることはあっても同格以下のチームに負けてはいけないし、シーズンを通じて、同じクオリティを維持しなければならない。このことをチームメイトに伝えていきたい」
――あなたは、フットボール以外のことにも強い関心を持っています。ボタフォゴには今季、下部組織からトップチームに昇格したマテウス・ナシメントという16歳の選手がいるが、彼と最初に会ったとき、あなたは「学校で勉強しているか?」と尋ねていました。選手が勉強をすることの重要性についてどう考えますか?
「僕の教育関連の活動は、かつて南アフリカやその他の国を訪れたときの経験に基づいています。若い選手にアドバイスを与えたり、若者や子供と触れ合うのが好きなんです。
教育が素晴らしいのは、身に付けたスキルや知識は一生涯なくならないからです。お金やその他の資産は下手をするとなくなるが、スキルや知識はなくならない。どこで生まれようと、お金があろうとなかろうと、すべての子供に質の高い教育を受ける機会を与えたい。そのために活動しているんです」