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遠藤渓太が日本人3番目の“神”に。
鉄のウニオンで期待される役割とは。
posted2020/08/14 11:40
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph by
Getty Images
7月25日、ドイツ・ブンデスリーガ1部のウニオン・ベルリンは、Jリーグの横浜F・マリノスからMF遠藤渓太選手を1年間の期限付きで獲得しました。ウニオンは遠藤の買い取りオプションも有していて、2020-21シーズンの活躍次第では、完全移籍への道も拓けることになります。
ウニオンが遠藤に白羽の矢を立てたのは、意外だと思いました。遠藤は東京五輪の日本代表候補として、将来を嘱望される22歳の若武者であることは間違いないのですが、こちらの移籍マーケットでは注目されていたわけではありません。
選手補強を統括するウニオンのオリバー・ルーナートMD(マネージングディレクター)は、これまでほとんどのケースで自ら現地へ赴き、候補選手のスカウティングを行ってきたそうです。しかし、今回は新型コロナウイルス流行の影響で遠藤のプレーを直接観られず、いわゆる「偵察部門」のレポートを受けて獲得を決断したようです。
従って、遠藤に対する本当の評価は開幕前のキャンプやトレーニングセッション、そしてシーズン開幕後の数試合の成績で下されることになるでしょう。
Jラストゲームで負傷を抱えたが。
現在の遠藤に少しだけ気がかりがあるとすれば、ドイツ渡航直前に出場した7月26日のJリーグ第7節・北海道コンサドーレ札幌戦で腰と左足に違和感を覚えて途中交代して、負傷を抱えた状態で新チームへ合流したことです。
8月4日、遠藤はベルリン中心部から南東約80kmにある湖畔の保養地バートザーローで実施されている短期キャンプに参加し、個別メニューながらも、さっそくトレーニングに加わっています。
ウニオンの今季公式戦初戦は9月12日、DFBポカール1回戦・カールスルーエ(2部)戦で、続いて9月19日のブンデスリーガ開幕節・アウクスブルク戦が待ち受けています。遠藤としてはこの時期をターゲットとして、コンディションの調整とチームへの順応に努めなければなりません。