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藤井聡太棋聖、18歳初対局は千日手など13時間超え!
丸山九段に敗戦も持ち時間の醍醐味を凝縮した激闘。
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by日本将棋連盟
posted2020/07/25 06:00
竜王戦決勝トーナメントを戦った藤井棋聖(別日撮影)
1分将棋が続く長期戦となり……。
夕食休憩の後も持ち時間の差は変わらず。丸山九段は名人2期獲得など「羽生世代」を代表する実力者らしい円熟の戦いぶり。一方で1分将棋となった藤井棋聖は71手目に6七角という勝負手を放つなど粘りを見せる。22時を越えた時点でも解説の三枚堂七段、深浦康市九段が「長い中盤戦ですね」と評するほどの熱戦となった。
そして迎えた終盤、持ち時間に余裕がある丸山九段は終盤にABEMAの中継で示されるAIの最適手を指し続ける。藤井棋聖も逆転を狙う一手を指し続けたものの、丸山九段がしのぎ切り、116手で藤井棋聖が投了。終局時間は23時30分を過ぎ、昼食と夕食休憩を含めれば13時間超えとなった。
2018年、NumberWebの取材に応じた野月浩貴八段が持ち時間について「棋士は誰でも局面の展開だけでなく、時間の使い方にも緩急をつけます」、「ずっと早いペースで攻め続けるのも難しいので力を溜めたり、攻めている局面でも息切れしそうな時にペースを落としたりします。なかには、形勢が良くなった時にあえてペースを落とす人もいるんですよ」と語っていたが、本局はまさに「時間」をめぐる駆け引きが凝縮され、丸山九段が先輩棋士としての意地を見せるものとなった。
渡辺明二冠との棋聖戦や木村一基王位との王位戦など過密日程の中で、竜王への挑戦権は得られなかったとはいえ、藤井棋聖が半日を優に超える持久戦で得たものは大きいだろう。