才色健美な挑戦者たちBACK NUMBER
世界を目指す川合美乃里が教える
五輪新種目・サーフィンの楽しみ方。
posted2020/07/15 11:00
text by
林田順子Junko Hayashida
photograph by
Shigeki Yamamoto
海に行けば、季節を問わずサーファーを目にするし、多くの人は知人に一人ぐらいサーフィン好きがいるだろう。それほどまでに競技人口が多いにも関わらず、試合を見たことがないという人もまた多い。
そこで東京オリンピックのサーフィン会場となっている千葉県・一宮町に住む川合美乃里に、サーフィンの魅力について語ってもらった。
もっとメジャースポーツにしたいのですが、サーフィンを中継するとなると時間が長いんですよね。朝から夕方までを4日間、みんな見てくれるのかなって心配です(笑)。
サーフィンは選手同士の戦いだけでなく、自然との戦いでもあり、自分との戦いでもあります。戦う相手がたくさんいるので、技が上手い人だけが勝つ種目ではありません。
例えば、ライディングは劣っている選手でも、波を読む力が優れていれば、いい波にコンスタントに乗ることができる。逆にライディングが優れていても、波を読む力がなければ、いい波を捉えることができない。それが積み重なって、結果的に大差がついてしまい、強い選手が負けるということもサーフィンでは結構あるんです。
経験も大切な要素なので、年齢のピークも人それぞれで、あまりないですね。20代後半でW杯のチャンピオンになる選手もいるし、さらに上の年齢の方でも進化し続けている人もいる。60歳や70歳になっても、趣味でサーフィンを楽しんでいる人もすごく多いですよ。
誰にでも勝つチャンスがある。
技術だけじゃなく、頭脳や観察力、運も勝負のうちで、誰にでも勝つチャンスがある。それがサーフィンの面白いところだと思っています。
自然との戦いでもあるので、選手は試合の1週間ぐらい前から天気予報をチェックして、当日の波の状態を予想して、乗る板を何枚か用意します。
波が割れていないと乗れないので、試合当日は最初に全体を見て、どのあたりの波がきれいに割れているかなどを確認して、使う板を決めてから海に入ります。
もちろん板も重要です。長さや厚さはもちろん、フィンを変えただけでも感覚が全く変わりますし、使うワックスで変わるという選手や、足を置く位置が気に入らないという人もいるぐらい繊細なものなんです。