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日本人ゴルファーはプロアマが苦手?
日米で違う「スーパーマン」の自負。 

text by

舩越園子

舩越園子Sonoko Funakoshi

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posted2020/07/03 11:00

日本人ゴルファーはプロアマが苦手?日米で違う「スーパーマン」の自負。<Number Web> photograph by AFLO

ゲーリー・ウッドランドは2019年度の世界ランキングで17位。それは「スーパースター」を意味する数字なのだ。

タイガーも、ケプカも、DJも。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で今年の3月半ばに米ツアーが休止状態に陥ったとき、ゴルフ界で真っ先に動いたのはタイガー・ウッズだった。

 自身のTGR財団が運営するTGRラーニング・ラボは、世界各国から優秀な子どもたちを集め、数学や物理科学、テクノロジーなどのハイレベルな授業を提供しているが、ウッズはこの授業をパンデミックで学校が閉鎖されてしまった世界中の子どもたちへオンラインで無料提供することをいち早く決めた。

 ブルックス・ケプカは米ツアー選手の中で誰よりも先に10万ドルの寄付を申し出た。ケプカの親友、ダスティン・ジョンソンも続いて10万ドルを寄付した。

 ウッズもケプカもDJも、トッププレーヤーとして社会のために何かをせずにはいられなかったのだろう。

 世界ナンバー1のローリー・マキロイや米国の国民的スター選手であるリッキー・ファウラーらは、契約先のテーラーメイドとともにチャリティマッチを開催。ウッズとミケルソンはNFLのスター選手らとともに、大規模なチャリティマッチを開催した。

 いずれも、コロナ禍において「そうすべき」「そうしたい」「そうしなければ」という使命感に燃えて起こしたアクションだった。とはいえ、義務感に縛られているわけではない。笑顔が伴い、彼ら自身も楽しみながら社会に尽くすところがミソである。

全米OPの昨年の優勝者が今年の開催地へ。

 社会貢献と言えば、まず思い浮かべるのは寄付であり、ゴルフ界ではチャリティマッチが一般的だ。

 しかし、このコロナ禍では最前線で戦う医療従事者を支援する上で、これまでとは異なる形の社会貢献が行なわれるようになっている。

 病院への支援は、寄付という形で行われることももちろんあるが、多忙をきわめるドクターやナースのために食事を提供したり、激励のメッセージやギフトを贈ったりという支援も増えつつある。

 そんな中、昨年の全米オープン覇者、ゲーリー・ウッドランドが今年の大会会場となるウイングドフット近くの病院へ、ベーグルの朝食とビデオメッセージを贈ったことが米国では大きく報じられた。

 NY郊外に位置するウイングドフットは、コロナ感染が最も激しかったエリアにある。今年の全米オープンは、すでに本来の6月から9月へ延期されているのだが、6月から再開された米ツアーで選手やキャディの陽性判定が次々に出てしまっていることもあり、果たして9月に全米オープンが開催できるかどうかは定かではない。

【次ページ】 スターには役目がある、という感覚。

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