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PGAツアーでコロナ被害が急拡大。
会長の苛立ちと行動規制の現実味。

posted2020/06/25 17:00

 
PGAツアーでコロナ被害が急拡大。会長の苛立ちと行動規制の現実味。<Number Web> photograph by AFLO

試合の中断中のブルックス・ケプカとダスティン・ジョンソンの様子。割と無防備にも見えるが……。

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舩越園子

舩越園子Sonoko Funakoshi

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AFLO

「ガイドラインに従わない者には厳しい処置を取る」

 米ツアーのジェイ・モナハン会長の表情と言葉には、明らかに怒りと焦り、そして苦悩の色があった。

 6月11日から再開された米ツアーは今週、再開3戦目となるトラベラーズ選手権を迎えているが、先週、2戦目となったRBCヘリテージの2日目にニック・ワトニーが同ツアーで初めて新型コロナの陽性判定を受けて棄権したのに続き、今週は開幕前のPCR検査でキャメロン・チャンプが2人目の陽性判定を受け、棄権。

 さらに、グレーム・マクダエルのキャディであるケン・コンボイが陽性となり、マクダエルが自主的に棄権。

 ブルックス・ケプカのキャディ、リッキー・エリオットが陽性となり、ケプカ、その弟のチェイス・ケプカが自主的に棄権。

 2戦目のRBCヘリテージで勝利を挙げたばかりのウエブ・シンプソンは家族が感染したことがわかり、自主的に棄権。

処置は厳しいが基準は不明確。

 この事態を受け、リモート会見に臨んだモナハン会長は苛立ちを隠せない様子で、こう言った。

「ガイドラインに従わない者には厳しい処置を取る。私たち米ツアーが存続できるかどうか、開催地の地域社会へ還元できるかどうか、私たちの仕事があるかどうか、ツアーの未来は誰もがガイドラインに従うかどうか次第であることを、きっちり認識しなければならない」

 ガイドラインに従わなかった選手に科すという「厳しい処置」とは、陽性判定を受けて隔離され、2、3試合の欠場を余儀なくされる選手に給付されることになっている補償金10万ドル(約1070万円)を受け取る権利の喪失。

 しかし、ガイドラインからどの程度逸脱したら「従わなかった」とされるのか、どうやって判断するのか、具体的な基準は示されず、これでは逆に混乱を招いてしまいそうだ。

【次ページ】 葬儀への参列が理由だった可能性もあるが。

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