競馬PRESSBACK NUMBER
豪華メンバー宝塚記念の主役は、
牝馬勢かサートゥルナーリアか。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2020/06/26 19:00
1.3倍の断然の1番人気を背負って金鯱賞を制したサートゥルナーリア。阪神は2戦2勝の舞台だ。
本格化クロノジェネシスが楽しみ。
一方、1つ年下のクロノジェネシスもここに来ての充実ぶりは著しい。
2歳時は阪神ジュベナイルフィリーズでダノンファンタジーの2着、3歳春は桜花賞がグランアレグリア、オークス(GI)がラヴズオンリーユーのいずれも3着と惜敗。着順的には惜敗だったが、勝ち馬とは完敗ともいえる力の差を感じさせたものだった。
しかし、ここでひと息入れたのが良かった。馬体を20キロ増やして452キロとした秋初戦の秋華賞(GI)を快勝。本格化を感じさせると、続くエリザベス女王杯こそ5着に敗れたものの、今年に入ってから京都記念(GII)を楽勝後、大阪杯でラッキーライラックの2着。まことに頼もしい存在となった。
ちなみにラッキーライラックの松永幹調教師とクロノジェネシスの斉藤崇調教師は師弟関係にある。秋華賞を制し、ドバイでアルマクトゥームチャレンジラウンド3(当時GII、現GI)を優勝したレッドディザイアを共に育て上げた仲である。同じ牝馬で、大阪杯同様、師弟が好勝負を繰り広げるのか、期待したい。
好走するときは必ず勝ってきた。
宝塚記念は春のグランプリと言われるように有馬記念(GI)同様、ファン投票で出走馬が選定される。また、競馬場こそ違えど、同じ右回りで距離は2200メートルと2500メートル。いずれも時計のかかる時期に施行されることもあり、両レースで好走をみせる馬は多い。昨年の宝塚記念の勝ち馬リスグラシューも暮れには有馬記念も優勝してみせた。
そういう意味で軽視出来ないのがブラストワンピース(牡5歳、美浦・大竹正博厩舎)か。3歳時の一昨年、有馬記念を制覇。古馬となってからは昨年の札幌記念(GII)と今年のアメリカJCC(GII)を勝っただけ。
昨年の凱旋門賞(フランス、GI)を含め、ここまでの成績は13戦して7勝だが、2、3着はなく、負ける時はいずれも4着以下。逆に言えば好走する時は勝っているという事で、この傾向が続くのなら、先頭でのゴールがあっても不思議ではない。いや、不思議ではないという言い方自体失礼なのかもしれない。グランプリホースなのだから、ここで勝ち負け出来る能力は十二分に持っていて当然だろう。