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ダービーデー最後のお楽しみ。
穴党ライターが目黒記念をぶった斬る! 

text by

石田敏徳

石田敏徳Toshinori Ishida

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photograph byPhotostud

posted2020/05/29 11:50

ダービーデー最後のお楽しみ。穴党ライターが目黒記念をぶった斬る!<Number Web> photograph by Photostud

昨年の目黒記念は3番人気ルックトゥワイスが制覇。1番人気、有馬記念馬ブラストワンピースは59キロを背負って8着に沈んだ。

消して消して、残り2頭。

 目黒記念の舞台、東京・芝2500m戦の発走地点は直線の坂下に設けられている。スタート直後にいきなり坂を駆け上がるため、坂上発走のダービーに比べるとスタミナ勝負寄りのレースになりやすいのが特徴だ。実際、'12年以降の優勝馬8頭にはこんな共通項があった。

・2400m以上の高額条件(3勝クラス、オープン、重賞)を勝っていた。

 なんとなんと。鞍上にクリストフ・ルメール騎手を配してきたオセアグレイト、3連勝中の新星キングオブコージ、トップハンデ(57.5㎏)を課された実績馬ステイフーリッシュと、上位人気必至の面々がこのデータで揃って1着候補から消えてしまう。

 残った4頭のうち、ミライヘノツバサは馬具の取材で知った「コンプレッションフード」の着用馬だし、「春の天皇賞完敗(同馬は12着)からの巻き返し」はこのレースの穴パターンのひとつでもあるが、ダイヤモンドSの勝ち馬が同年の目黒記念を制した例は皆無(目黒記念が春開催に移設された1997年以降)。

 3着以内好走も'05年2着のウイングランツだけで、やはり頭では狙えない。

 さらにボスジラは'12年以降の目黒記念で3着以内回数トップを記録しているものの、1勝2着2回3着3回と今ひとつ勝ち切れていないディープインパクト産駒。

「近3戦で2勝している馬は好走確率が高い」というデータ、先週のオークスでミヤマザクラ(=同馬の妹)を買った縁からも後ろ髪を引かれるが、ええい、ここは思い切って評価を一枚割り引いちゃえ。

両方買って、ルメールも。

 いよいよ残るは2頭。バラックパリンカの前走、御堂筋Sは展開勝ち(単騎に持ち込んでの逃げ切り)の印象が強く、これまで戦ってきた相手のレベルもそう高くないように思える。

 一方のタイセイトレイルは重賞未勝利ながら、同舞台のアルゼンチン共和国杯の2着馬、好走例が多い「同年の日経新春杯かダイヤモンドSのひと桁着順馬」でもある。出足がつかず、最後方に置かれた道中から、馬群の外々を回って早めにまくり、小差の3着に食い下がった前走のメトロポリタンSも非常に中身の濃い内容だった。

 そう考えれば当然、後者に白羽の矢を立てるべきところ。しかし下した結論は「両方買う」。2頭を1~3着、網に残った先の5頭を2、3着に置く3連単(計60点)を買う。

 さらには念を入れ、2頭と「やっぱりルメールは怖いよ」のオセアグレイトを組み合わせた3連複まで抑えることをここに誓います!

「誓うなんて言葉で誤魔化さないでよ。本命が2頭、しかも3連複まで抑えるなんて卑怯すぎるわ。ねえ、お願い。男らしくちゃんと責任を取って……」

 U編集長のすすり泣きが聞こえてきそうだけど、私はプロの予想家さんじゃないし、もともと普段から、豆券の多点数買いで穴を狙うスタイルの馬券プレイヤー。それに本稿を担当していなければバラックパリンカには絶対にたどり着かず、個人的に長距離適性を高く評価しているオセアグレイトは間違いなく買っていた。

 その妥協点が「60点買い+3連複」という結論。たとえ当たっても悲惨なトリガミがあり得る半面、バラックパリンカ1着の3連単なら間近に迫っている車券、じゃなくて車検代が捻出できるかもしれない。わくわく。

【次ページ】 最後のとっておきデータ。

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