松岡修造のパラリンピック一直線!BACK NUMBER

パラバドミントンの新星・里見紗李奈。
競技にハマった理由に松岡修造、驚嘆! 

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松岡修造

松岡修造Shuzo Matsuoka

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photograph byNanae Suzuki

posted2020/06/13 11:00

パラバドミントンの新星・里見紗李奈。競技にハマった理由に松岡修造、驚嘆!<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

事故の後は落ち込んだという里見選手。今は笑顔のプレーで周りの人を明るくするほどの選手に。

手探り状態からパラリンピックが現実的に。

松岡「技術や戦術を自分で考えていたということですけど、失礼ながら、その時点ではまだアスリート感ゼロじゃないですか。自分が自分のコーチみたいな感覚だったんですか?」

里見「最初は指導をしてくれる人がいなかったので、全部自分で考えてやっていましたよ。一緒に練習をしていた仲間も1人はバスケットボールをやっていたし、もう1人もサッカーをやっていたので、みんな手探り状態でした」

松岡「そうかぁ。でも、それが良かったのかもしれないですよね。だからこそ打ち解けていったのかもしれないし。みんなで研究しながら、どんどん上手くなっていったんでしょうね」

里見「そう、徐々に上手くなって、私も日本で一番の選手にやっと勝てるようになりました。1年ぐらいかかりましたけど」

松岡「1年は当たり前です! っていうか、1年で勝っちゃうなんて、早いじゃないですか!」

里見「はい、頑張りました。さらに2018年5月に開かれたアジアパラ選手権大会の代表選考会で優勝して、パラリンピックを意識するようになりました。ただ、その頃は2020年東京大会には間に合わないだろうと思っていて、出られるとしたら2024年パリ大会かなという感覚でした」

松岡「初めて出場した国際大会はいつだったんですか?」

里見「2018年7月のタイ国際です。それが初めての海外遠征でした。そのときWH2クラスで日本で一番強い山崎悠麻選手とダブルスを組ませていただくことになって。悠麻さんは2020年の東京パラリンピック出場を見据えていることは分かっていたので、自分が組ませていただく以上、私も東京大会を目指すしかない、しっかりやっていこうって、考え方が変わりました」

「周りの人に助けられて、ここにいる」

 里見選手と山崎選手のペアは2019年8月、世界ランキングおよび東京パラリンピック・ランキングの両方で1位に立ち、今、東京パラリンピックの金メダルに最も近い存在と言われている。

松岡「大先輩とペアを組んで、もう逃げられない状況ですね」

里見「やるしかないという気持ちでしたね。そのときの私は国内のWH1クラスでは1位でしたけど、世界に出たらシングルスで勝てないレベル。でも悠麻さんはWH2クラスでものすごく強くて、悠麻さんの実力に見合うパートナーにならなきゃいけない、もっと練習して上手くなりたいという気持ちが強くなりました」

【次ページ】 「競技においては相当ラッキーだと思いませんか?」

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