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スポーツマンガと舞台、謎の好相性。
テニミュとペダステの成功の理由。
posted2020/04/07 19:00
text by
kuu(マンガナイト)kuu
photograph by
(c)許斐 剛/集英社・NAS・新テニスの王子様プロジェクト (c)許斐 剛/集英社・テニミュ製作委員会
マンガの世界でも、スポーツは一大ジャンルである。スポーツマンガの多くは少年誌・青年誌での連載だが、その中に女性人気が突出した作品が現れることがある。
コミック売上ランキングの常連であり、アニメーションも放送中の『ハイキュー!!』(古舘春一)や、作品終了後もファンの応援が続く『黒子のバスケ』(藤巻忠俊)、その他『ダイヤのA』(寺嶋裕二)や『おおきく振りかぶって』(ひぐちアサ)などもそのカテゴリーに入る。
こうして並べてみると、女性に人気が出る作品にはいくつか共通点を見いだせる。
親しみやすく個性的な男性キャラクターがたくさん登場すること。メインストーリーは
王道でありながら、どこかに自分の解釈を落とし込める行間が存在すること。登場する女性キャラは男性と一緒に競技を行わず、またむやみに恋愛モードに入らないこと。つまり、男性たちだけの世界、彼らの関係性を愛でやすいものが、女性たちを惹きつけてきたのである。
「舞台化」という特有の展開。
女性人気特有のバロメーターの1つに、「舞台化」がある。一般的な人気の指標としてはアニメの存在感が大きいが、女性人気の高い作品は舞台化されるケースが多く、実際に観客のほとんどは女性である。
今回はこの、マンガと女性ファンと舞台化を巡る世界をご紹介したい。
2000年代からマンガ舞台化の代表例でもある『テニスの王子様』(許斐剛)と、今年連載13年目を迎えた自転車ロードレースマンガ『弱虫ペダル』(渡辺航)を取り上げ、その人気について考察していく。