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湘南DJ、K-1、世界まる見え。
声の表現者・三村ロンドの流儀とは。 

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林遼平

林遼平Ryohei Hayashi

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photograph byRyohei Hayashi

posted2020/04/05 11:50

湘南DJ、K-1、世界まる見え。声の表現者・三村ロンドの流儀とは。<Number Web> photograph by Ryohei Hayashi

2014年から湘南ベルマーレのスタジアムDJを務める三村ロンド氏。アウェイの地まで足を運び、サポーターとともにベルマーレを応援している。

スポーツとの出会いは世界ラリー選手権。

 全国的にも知られる数々のテレビ番組のナレーションを務める三村ロンドが、ナレーターの道を歩むことになったのは1999年のことだった。大学時代からラジオDJや役者の仕事に携わっていたものの、それらの仕事で食べていけないことを悟った男は、ナレーション事務所の社長に誘われて転職の道を選ぶ。

 そこからはトントン拍子で事が進んだ。今まで培ってきたラジオDJや役者のやり方を全て捨てて、ナレーターという職種に打ち込むと、見る見るうちに仕事が舞い込んだ。見ている人、聞いてくれる人を喜ばせるという点で、ナレーターの仕事は「天職」だと感じたという。

 スポーツに絡み始めたのは2002年の頃。世界ラリー選手権の情報番組のナレーションを務めたことがきっかけになり、その後モータースポーツ系の仕事に携わることになる。また2003年からは、新たに湘南のスタジアムナビゲーターに決まった先輩の付き人のような形で、現場を勉強するために付いていくことになった。

三村が惹かれる“ライブ感”。

 普段は録音ブースと呼ばれる仕切られた部屋の中で声を出すナレーターが、わざわざ外で声を出すスタジアムDJの世界に勉強することがあるのか。そんな疑問の答えは、すぐに理解することができた。

「スタジアムを盛り上げるのは“ライブ”だと感じた。役者の場合は舞台の前にお客さんがいるし、ラジオだったら聞いているリスナー。ナレーションなら見てくれている視聴者の方。それと同じように生でスタンドにいるサポーターを盛り上げ、選手を奮い立たせる。この経験はナレーションにも活かされると思った」

 サッカーにのめり込むのは早かった。スタジアムDJの仕事に興味を持っていた三村は、「自身の勉強だと思ってアウェイの試合を見に行くようになった」。当時、レギュラー番組を何本か抱えていたものの、突き詰める時はとことんやらないと気が済まない性格もあって、マネージャーに半ば呆れられながらも東から西まで都合がつく試合なら全ての試合に足を運んだ。

 その働きぶりが目に留まり、2007年にガイナーレ鳥取のスタジアムDJに就任。4年の間、JFLからJ2へと上がるチームの行末を見守った。そして、悩みに悩んで鳥取に別れを告げた後、紆余曲折の末に’14年から湘南で正式にマイクの前に座ることになった。

【次ページ】 K-1も担当、Jリーグとの違いは?

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