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アンチフットボールで躍進ヘタフェ。
ボルダラスは恥さらしか名将か?

posted2020/03/07 11:40

 
アンチフットボールで躍進ヘタフェ。ボルダラスは恥さらしか名将か?<Number Web> photograph by Getty Images

ヘタフェのボルダラス監督(左)は、ELアヤックス戦でテンハーフ監督と揉める場面も。

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横井伸幸

横井伸幸Nobuyuki Yokoi

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 ヘタフェが強豪アヤックスを下して、ELノックアウトラウンド2回戦(ベスト16)に進出した。

 UEFAカップ時代の2007-08シーズン以来となるクラブ史上2度目の16強進出は、年間予算(選手の推定年俸総額はバルセロナやレアル・マドリーの10分の1以下)を考えると称賛されて然るべき偉業だ。

 とはいえ、苦々しく思っている人は少なくない。

 PSVの女子チームに所属するスペイン出身のGKエリ・サラソーラはヘタフェの勝ち抜け決定後に、こんなツイートを発信している。

「ヘタフェのあれはサッカーじゃない。恥さらしだ……」

 アムステルダムのヨハン・クライフ・アレナで行なわれた第2レグでは、スタンドで観戦していたヘタフェの選手の家族に向かって、ビール入りのカップ等が投げつけられるという事態が発生している。

「ただ負けているだけ」では、普通そんなことはしない。

プレー時間は最短、ファールは最多。

 アヤックスのサポーターをそこまで苛立たせたのは、日頃から「アンチフットボール」と非難されているヘタフェの試合に対する姿勢があったからだろう。

 国際スポーツ研究センターのサッカー調査部門のデータによると、昨シーズンの実際のプレーイングタイムは欧州最少で1試合平均41.31分(90分の45.9%)。リーガにおけるファウル数は昨季1試合平均16.9回。今季はいまのところ19.1回で、もちろんどちらも20チーム中最多である。

 2月15日のバルサ戦で犯した30回は、今季のヨーロッパ記録だ。

 ヘタフェの名誉のために断っておくと、アンチフットボールの戦い方はクラブの伝統というわけではない。

 首都マドリードの都市圏に張り付くように存在する同名の小さな町を本拠とするヘタフェは歴史が浅く(1部初挑戦は2004-05シーズン)、サポーターは少なく、大スポンサーは付かず、よって戦力は乏しい。

 畢竟、どの監督も工夫をもって戦うことを強いられてきた。

【次ページ】 実はボルダラスはクライフ信奉者。

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